音楽日報'07
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輝け! イマケイレコード大賞2007  2007. 12. 28 (Fri.)

毎年この時期になると誠に僭越ながら1年間のうちに発表されて、かつ購入したCDのなかからぐっときた作品にレコード大賞を贈呈してきていますが、業界動向に加えワーキングプアの2007年、購入したCDがほとんどありません。
昨日RADIO HEADの新作がCCCDではなくCDだったので買いましたが、CDを買うのは半年振りぐらい。それぐらい「ワルツを踊れ」しか聴かなかった1年ということになってしまいました。
本来ならばケミカルブラザーズの新作はもちろん、ゆらゆら帝国の「空洞です」やミドリのメジャーデビュー作、マキシマム・ザ・ホルモンなども拝聴したうえで選定すべきですが、例年の恒例行事なので発表してしまいます。
なお、「ワルツを踊れ」ですが、最初がっかりさせられましたが、戸田市民会館でのふれあいコンサートを拝聴してから、また世界観の根底にパルナスのCFソングがあったことに気づかされてからというもの、じわじわとぐっときだしましたことを言い訳しておきます。

■レコード大賞(欧州ほか)
該当作品なし

■レコード大賞(国内)
ワルツを踊れ (くるり)

■最優秀新人レコード大賞(試聴しただけ)
清水(ミドリ)

■審査員特別功労賞(欧州)
該当作品なし

■審査員特別功労賞(国内)
KARATE HOUSE (POLYSICS)

■買ってがっかりさせられたレコード大賞
ワルツを踊れ (くるり)

■買うのを我慢して(たぶん)正解だったレコード大賞
Perfume〜Complete Best〜 (Perfume)

ジョンレノンミュージアム「わたしとジョン・レノン」
  
2007. 11. 21 (Wed.)

わたしとジョン・レノン約4年半ぶり3回目のレノンミュージアム。入ってすぐの幼少期のコーナーが以前より充実したような気がしますが、気のせいかもしれません。
その他の展示はまったく変わらず、毎度オノヨーコはビートルズの値打ちをわかってないなぁと思わざるを得ないのですが、まぁどうでもいいです。
しばらく行かないうちにできてたのが、ミュージアム隣接「ラウンジ」。
関連書籍やCD、DVDをいい椅子で楽しむことができます。むろん、CDプレイヤーやDVDプレイヤーも数台設置。
喫煙所「絵本ジョンレノンセンス」を原書で読みはじめましたが、さっぱりわやだったので、絵本イエローサブマリンの翻訳を読んでたら、映画を見たくなってDVDを見ました。
字幕しかありませんでしたが、できればレノンを広川太一郎が吹き替えたやつを見たかったです。
そんなわけで、すいてたら何時間でも過ごすことができるというか、ここに住みたくなってしまいます。ただし、禁煙。

電池の日の液漏れスペシャル  2007. 11. 12 (Mon.)

無事、盛況のうちに終了。
多数のご来場ありがとうございました。 電池の日の液漏れスペシャル
ホットな演奏を繰り広げるいまわし部族
演目
1 ギマンのレンズの平方根
2 十六文キックについての
楽観的一考察
  挨拶(ビリーバンバン)
3 うわさの知識人類
  説法
(ディープパープルと
ローリングストーンズ)
4 無意味に耐えかね虹の彼方へ
  センポ嵐児先生ご説教
5 人間標本1/8計画
  機械と機械のアンサンブル
(プラスチックス、
YMO、 リューベン、
コズミックインベンション、
ゲイリーニューマン)
6 実存カテゴライズ,詩人の秩序
  挨拶(次回[未定]予告)
7 意味の病を運ぶウイルス

ロンドン・コーリング
ザ・ライフ・オブ・ジョー・ストラマー  
2007. 10. 17 (Wed.)

「地下鉄カードは使わない。どこで何をしてるかわかっちゃうもん」というミック・ジョーンズの名言などをちりばめた、グラストンベリーでは昨今の監視社会ぶりにキレてカメラを壊してしまっていたジョー・ストラマーの伝記映画。監督はこの手のではもうおなじみ、ジュリアン・テンプル。ちなみに原題はJOE STRUMMER:The Future Is Unwritten
焚き火を囲みながら、ロンドンから遠くの街々に届けられるラジオの音楽とストラマーの声を聴きながら、関係者がストラマーを語るという構成。関係者は親戚、友人、クラッシュのメンバー、フォロワー、元恋人(多数!)のほかにハリウッドスターも登場。
プライマルスクリームのギレスピーが「ストラマーのいいとこは徹底して反権力、反体制、反労働だったことだ」と言った「反労働」のところで一人外人が爆笑。
ところで、一昨日ご報告した上野の本では唐突に語られがちなスクワット(不法占拠)についてその背景や具体的な占拠物件の広まり方などがよくわかります。ストラマー自身、スクワッターだったからであります。(ちなみに、上野の本で唐突に語られがちなトラベラー(非定住部族)は、先日報告した映画「グラストンベリー」に登場)
それはさておき、ストラマーがパンクムーヴメントで出てきた偉人たちのなかでは、歳くってる、中産階級出、モッズじゃない、ミックジョーンズの歌の方がいい、政治色が短絡的、女癖悪そう(実際は想像以上だった)、音楽の方向性に先がない、などの理由でわたくし的にはやや評価低めだったのでした。が、レイブやテクノで蘇って国家でも民族でもない共同体を一時的に実現し続けた現代のアナーキストとしてわたくしたちの前に道を作ってくださった先達として改めて評価せずにいられません。

ロック酒場  2007. 10. 3 (Wed.)

20年の歳月を超えて壊れ続けていた下北トラブルピーチの階段が修繕されていた! これはニュースです。
看板この改修を祝して僭越ながら楽団いまわし部族は来る11月11日に研究発表会を挙行するという結論に至りました。
詳細の発表は詳細がわかってから。
一応、会場は下北沢ではなく高円寺
階段
発表テーマは「親父バンドにパンク・ニューウェーヴの一撃」を予定しております。

宇宙ダコ ファイナルコンサート
(高円寺ペンギンハウス)  
2007. 8. 23 (Thu.)

看板去る18日の高円寺ペンギンハウスは「高円寺のヘルメスたち」と題しての企画公演。当欄で何度かお伝えした宇宙ダコのさよならコンサートでありました。
コーネリアスにたとえるとわかりやすいのですが、一人でやってるのに「宇宙ダコでやるのはこれで終わりにする」と聞いたときは、なぜか数年前の女性誌の見出し「叶姉妹、解散か?」を思い出してしまいました。
名前を変えるその理由は、同じ名前の若いやつらが出てきたからとのことでありました。これを聞いて思い出したことは、加勢大周は若い方が名前を変えたのにな、ということでありました。

宇宙ダコ ところでこの日の演奏は、一人でやるのが定番だったところに今井さんのドラムを加え、練習量に反比例するスリリングなサウンド。
また、最終2曲はベースの人も交えての「男のマロンズ」で、四十男の憤懣やるかたないフラストレーションチックな魂の叫びをバンドサウンドに爆裂させてらっしゃいました。
ところで、宇宙ダコの新たな名前は、わたくしの師の師の師の師にあたるハンガリーの思想家「ピクレル・ジュラ」になるようです。

行列(FUJI ROCK FESTIVAL '07)  2007. 8. 20 (Mon.)

便所の列夕刻のいい時間帯ですと30分近く待たされかねないのが便所の列。右画像は5.6人待てば用を足せそうですから、まだまだ平和な時間帯であります。
画像の列に男子しかいないのは、その先にある便所が立ちション専用だからです。婦女子の皆さんはこの奥にある個室の列に並ばれています。そんな婦女子の列の中にちらほら見える男子。いかにもうんこを我慢しているのがバレバレ、というふうにも見受けられますが、本当にそうなのでしょうか?

図
立ちション専用便器の列が1便器につき1列なのに対し、個室は10便器に1列のフォーク式行列が形成されています。このため、立ちション専用便器では1人進むのに約50秒かかるのが、個室ではわずか20秒。
このため、個室の列が立ちションの2.5倍を超えない限り、個室に並んだ方が早く便所にありつけるわけで、実際に個室の列が立ちションのそれの2倍を超えることはわたくしどもの調査観察の限りは見受けられませんでした。
そんなわけで、ドキ!婦女子だらけの個室の列に並んでる男子がいたとしても、必ずしもうんこを我慢しているわけではなく、そう思われてもよい恥や外聞よりも合理精神を尊ぶ所以によるものかしれません。

BEASTIE BOYS(FUJI ROCK FESTIVAL '07)
  
2007. 8. 12 (Sun.)

ビースティボーイズ少年ナイフの前後は、!!!とかKULA SHAKERとかカイザーチーフスとかでうたた寝気配で推移してこの日のトリのビースティボーイズ。
代表曲しか知りませんわたくしにとっては、1時間余りあの勢いでステージを務められるのかどうかが見所。
が、しかし。よく知ってるノリのラップを機軸としつつも、半分ぐらいは明日のハッピーマンデーズの予告編みたいな横揺れバンドサウンドの披露。
売れない下手なパンクバンドだったのが、ヒップホップをとりいれるや一大ブレイクということではドラゴンアッシュが有名ですが、ビースティボーイズの皆さんもそのような遍歴をお持ちであることをまざまざと見せつける意外なパフォーマンスを見させてもらえたのでした。

少年ナイフ(FUJI ROCK FESTIVAL '07)  2007. 8. 10 (Fri.)

レッドマーキーメジャーデビュー1作目「Let's Knife」(1992年発表)はよく聴いているのに、なぜか2作目以降を聴いていないのが少年ナイフ。その原因を考察してみたところ、その数年後に出た小山田圭吾、曽我部恵一、石野卓球、サーストンムーア、坂本龍一らによるリミックス盤があまりおもしろくなかったからという結論に至りました。
それはさておき5年越しの念願叶ってフジロックに登場の少年ナイフ。オープニング「Let's Knife」の1曲目「ロケットに乗って」のイントロが始まるや、最前列付近はモッシュにダイブのおお賑わい。それでも、ベック(ジェフの方)やペイジやブラックモアの時代でもないのにギターソロが始まるとやんやの大歓声が湧き上がる変わらぬヘタウマっぷりに心洗われる思いを味わわせてもらえたのでした。

FUJI ROCK FESTIVAL '07  2007. 8. 9 (Thu.)

グリーンステージ早朝帰ってきてから気づいたんですが、出演アーティストのうちLP2枚以上持ってるのは石野卓球とケミカルブラザーズだけだったのですよ。三上寛を含めても。そのうち石野卓球のは全然覚えてないし。
これまでのニューオーダー約15年ぶりの来日公演やギャングオブフォー初来日公演のように台風が来ても見ざるを得ん状態でもないのに、高い入場券を購入して行ってしまうほど俺様のなかに定着したといえるかどうかの試金石となったフジロックフェスティバル07。あと、02年交通渋滞で見逃した少年ナイフのリベンジ。
結論から言うと半々。また来年までじっくり考えたいと思うのであります。

グラストンベリー  2007. 8. 8 (Wed.)

今に続く野外フェスティバルの草分け、グラストンベリー・フェスティバルのドキュメンタリー映画。R−15指定。監督は「ロックンロール・スウィンドル」「アブソリュート・ビギナーズ」でおなじみのジュリアン・テンプル。
そんなわけでライブ映像も多少は見られるだろうと期待していくと、ほんとに多少。終盤に出てきたボウイやパルプを除くと概ね1番まで。自作テロの米帝国に怒るプライマルスクリームや監視カメラ急増に怒るストラマーや異常にはじけるブラーが印象的でしたが、あと知らないバンドのベースの人が全裸。ふだんはベースの陰に隠れるちんこですが、激しく動き回るごとにちんこがベースのわきから飛び出します。
客のなかにも随所に全裸になりたがる人が登場して、ちんこが飛び出すこの見苦しさをしてR−15指定になったものと思われます。

くるりホールツアー2007
ふれあいコンサート(戸田市文化会館)  
2007. 7. 15 (Sun.)

問題作「ワルツを踊れ」発表後のコンサートツアー初日。なぜか埼玉県からスタートという摩訶不思議。しかし、これでくるりがコンサートをしていない都道府県は島根を残すのみとなったようです。
それはさておき、これまでからは考えられない「ふれあいコンサート」なるひねりなさ過ぎのツアータイトルは公共のホールの予約を取りやすくするためだったのでしょうか。
「ワルツを踊れ」を聴いたあとだったら行く気にならなかったような気がするのですが、CD購入前に入場券を購入してしまったんで。弦楽団も来て眠たい演奏だったらクラシックコンサートのように寝るんも一興かと思いつつ。

メンバーの皆さんが登場するや起立して向かえる客でしたが、岸田がジェスチャーですわってくれろとお願いするので一同着席。
サポートメンバーはドラムにギター&シンセ、コーラスが男声2人に女声1人。全部で7名。概ね白シャツに黒スーツで正装風の衣裳。
冒頭新作から時計の歌を演奏されたのですが、弦はなんと打ち込み。新作の中でも最もロックな楽曲「Miilion Bubbles in My Mind」を2曲目にやってしまわれたり、6曲目に前作から「Baby I Love You」をやられたりしましたが、概ね新作から眠たげな楽曲を打ち込みなしで。小1時間で1部終了。
3曲目あたりで一瞬深く腰掛けて寝る態勢を整えたのですが、眠るには至らず。ホールゆえに音がよいのです。おまけに低音にあわせてイスの背もたれが振動しますので、完全に忘却していた(レインボウ札幌事件後)立てないホールコンサートを思い出させてもらえました。

休憩をはさんで2部。新作冒頭の弦だけインスト「Heiligenstadt」の終了にあわせて1部と同じメンバーで登場して新作2曲目の名曲「Bremen」。また新作中最も8ビートが効いてる「Continental」をやってしまった後は、新作中の残りの楽曲をやりつつも「Rock'n Roll Workshop」から「Thank You My Girl」のリッケンメドレーをはさんだり。終盤近くにやった「Anarchy in the Musik」は明らかに弦のないほうがよいです。
そんなわけで、やはり新作「ワルツを踊れ」がいかんともしがたいのは、要らん弦編曲と田舎の録音スタッフの責によるものという気がしてきます。

終盤、「ワンダーホーゲル」のイントロでようやく客席起立。「最初「座れ」とお願いしましたけど、立ってくれはってちょっとほっとしてます。ぼくらロックンロールバンドですから」という岸田の挨拶を経て「ロックンロール」で大団円。アンコールで「東京」やってホールツアー初日は無事につつながくお開き。

ワルツを踊れ(くるり)  2007. 7. 14 (Sat.)

全編ウィーン録音の意欲作。冒頭弦楽団のよくわからない楽曲で始まり、近世欧州の哀愁メルヒェンを満喫できる2曲目「ブレーメン」へ。3曲目以降もドイツ・オーストリアから東欧臭をかぐわす楽曲をはさみつつの名曲アルバム。
2曲目と3曲目が濃くて複雑なんでLP全体がなんかすごい感じがしますが、クラシック耳のない我々にとっては賢い人にしか見えない王様の衣服とあまり変わらず心地よく聞き流すことができます。
後半は演奏にもしまりがなく、高みに挑んで至らなかったのか、単に集中力を欠いたのか、田舎の録音スタッフでは致し方ないのか、もしくは辞めてしまったメンバーはどうしてるだろうかなどと考えさせられる結果に。

Tanz Walzer(QURULI)  2007. 7. 5 (Thu.)

易しいような難しいような。

声に出して読みたい日本語(伝説のDJ)  2007. 5. 31 (Thu.)

電車の中でテレビブロスのレコード評を読んでいて、つい声に出して読んでしまいたくなる文章に出会いました。少し長いですが音読しやすいように改行したうえで引用させてください。
是非とも読者の皆様にも声に出して読んでいただきたいと思います。意味なんかわからなくてもいいです。が、決して早口にならぬよう、また英語っぽい発音で今風になったりせぬよう、糸居五郎になりきっての音読をお勧めします。

ついに登場!
UKダンスミュージック・シーンの大御所ケミカル・ブラザーズの6作目となるニュー・アルバム『WE ARE THE NIGHT』。
今作も彼らならではのミクスチャー感覚で、様々なゲスト・アーティストの音楽的エッセンスをダンス・ビートに取り入れた意欲作。
今っぽいエレクトロやテックハウス的なスタイルもアグレッシヴに絡めて混沌としたバレアリックなサウンドを展開している。
ゲスト・アーティストにはニュー・レイヴの旗手として人気爆発のクラクソンズ、
昨年デビューしたばかりのロンドンの新鋭シンガー、アリ・ラヴ、
元ファーサイドのMCファットリップ、
同じヴァージン所属シンガー・ソングライターのウィリー・メイソン、
コクトー・ツインズのサイモンによるベラ・ユニオン・レーベルで注目されるミッドレイクなど多彩な顔ぶれ。
現在クラブ・シーンで人気のロッキンなダンス・ミュージックの元祖と言える存在だけに、さらに一歩進んだ幅のあるアプローチを展開。
エレクトリックなサイケデリック感覚とアシッド・サウンドが織り成す絶品です!(佐久間英夫)


宇宙ダコ(高円寺ペンギンハウス)  2007. 5. 24 (Thu.)

たいへん久しぶりに宇宙ダコ(キコリレコード所属)のライブコンサートを鑑賞。
冒頭ピアノ弾き語りを3曲も続けられてどうなることかと思いましたが、4曲目からはエレキギターで独唱。
時折シャウトしたりしつつも概ね歳相応のしみじみした楽曲で四十男の徒労感を表現されていました。見習いたいものです。

ザ・ワイルドワンズ(平塚競輪場)  2007. 5. 4 (Fri.)

左から2枠複・2枠単、2車単、鳥塚しげき20分弱ほどの短いステージが2本。
相変わらず加瀬はギターを見ずに弾くというこれみよがし奏法中心でしたが、打ち込みのオケ持参。楽曲によってはメンバー全員まったく楽器を持たずにハーモニーと踊りというか振り付けに徹されていました。加瀬でさえもが。
1部はGSメドレーなど60年代色濃厚な構成。最後は当然「想い出の渚」。
2部は加山雄三の楽曲を織り交ぜ湘南色豊かに。「愛するアニタ」でベースの人の絶叫を生で聴かせてもらい、最後は当然「想い出の渚」。

放尿  2007. 4. 28 (Sat.)

ズボンと瀧に 人生(瀧勝)

KARATE HOUSE(POLYSICS)  2007. 3. 28 (Wed.)

前作が弾けすぎてて2,3回しか聴かないうちに出た最新作。よくまぁほぼノーコンセプトで毎年毎年LPを出される量産っぷりにおののかされるのですが、過剰なちょい発狂を程よく抑制されて久々の快心作と受け止めました。
本作の特長は女声ボーカル増量とギターの音符が少ない。と、いうわけでリーダーの林が控えめであるほど評価が上がるからくり。
電気グルーヴの名曲?っぽい楽曲に加えPモデルの1枚目から「偉大なる頭脳」をカヴァーされていて、我々年寄り向けのツボも押さえておられます。
「偉大なる頭脳」ではシンセパートもギターを弾かれており相変わらず出しゃばりっぷりはしょうがないのですが、1980年前後の時代の危機感が半音つの変化に象徴されてただけでなく、この半音変化はバンドを組んでから楽器の練習を始めるという時代精神ともマッチしていたはずだなどという感慨にも浸ることができました。

ムーンライダーズ・30年のサバイバル  2007. 3. 27 (Tue.)

「ライブとトークで描く30年の歴史」と銘打った特番をNHK−BS2で。昨年の30周年記念活動の密着取材モノかと期待させられたのですが、下北ロフトとNHKの屋上とNHKのスタジオでのメンバーだけの盛り上がらないトークをはさみつつNHKのやたら広いスタジオでのライブ演奏の模様10曲余りで1時間半。
とは言うものの、「スパークリングジェントルメン」が元バージョンだったのが途中からニューウェイヴアレンジになったり、アンプラグドでの「ボクハナク」、かしぶちリードヴォーカルの「スカーレットの誓い」ほか特番だけのアレンジをしっかり練習してきてマニア受けする演奏内容。
最後は唯一打ち込み込みで「涙は悲しさだけでできてるんじゃない」でまとめたかと思うや、鈴木兄のドラムで「冷えたビールがないなんて」(鈴木弟以外の4人でギター合戦含む)。
最後のトークで、自主レーベルを立ち上げようやくモラトリアム脱出、いやまだ半分。と語ってらっしゃった通りの幼形成熟ぶりを堪能させてもらえました。しかも、全曲に歌詞字幕つきで。

iTunes store  2007. 1. 19 (Fri.)

最近はネット配信で楽曲を購入できたりすることはちょっと前から知ってましたが、まったく実行する気はなかったです。が、iPodを持ち歩くようになりスカスカした音にも慣れてきたんで、いっちょ購入してみようかと思い立ち、iTunes storeに行ってみました。1曲200円とかで買いそびれてた楽曲が買えてしまいます。CDで買うにはもったいないけど手元に置いて聴きたいときに聴けるようにしておきたい!という楽曲を検索し、とりあえず演歌界のIt's Only Rock'n Roll「」(冠二郎)を購入。

MOONRIDERS CM WORKS 1977-2006  2007. 1. 18 (Thu.)

企画モノのCDはなるべく買うのを我慢するようにしているのですが、30周年リリースラッシュの一環にのせられてこれもマニアの受難。
テレビ音楽集は何枚か持ってますが、同一アーティストだけで編集されたものとしては、他に「浪花のモーツァルト キダタローのすべて」しか知りません。「浪花のモーツァルト」がどこを切っても金太郎な金太郎飴状態だったのに対し、本作は百花繚乱。メンバーが6人いるからということもありますが、6で割っても余りある多彩な引き出しの豊かさを感じることができました。
CM楽曲集ということで1曲1曲が短いのもいいです。最短は4秒のプレステCFの冒頭にいつも鳴ってる音。その次が明星一平ちゃんのテキヤ風サウンドロゴで6秒。
資生堂もあるけど花王もライオンもあり、家電はSONY、東芝、松下、ビクター、三洋。麒麟ビールにアサヒビール(未収録)などと我が国の大手広告代理店寡占状態を嘆くのはたやすいですが、コムスンの臭い映像に臭い弦を乗せたりなどに清濁併せ呑んで生きながらえる男たちの生き様を感じさせてもらました。
ミノルタの「僕はスーパーフライ」、アサヒビールの「とにかくここがパラダイス」、アロエリーナの素人バージョンなど未収録が惜しまれます。

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