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輝け! イマケイレコード大賞2008 2008. 12. 27 (Sat.)
僭越とは思いつつ年末恒例のレコード大賞。今年も購入した極僅かのCDのなかから厳選された作品を発表して労をねぎらいたく思います。
昨年の作品でも俺様が今年聴いたものには受賞資格があります。
■レコード大賞(欧州ほか)
該当作品なし
■レコード大賞(国内)
TEENAGER (フジファブリック)
■最優秀新人レコード大賞
DISCO BABY (80_pan)
■審査員特別功労賞(欧州)
22 Dreams (Paul Weller)
■審査員特別功労賞(国内)
空洞です (ゆらゆら帝国)
Captain Hate & First Mate Love (鈴木慶一)
■買ってがっかりさせられたレコード大賞
J-POP (電気グルーヴ)
■買うのを我慢して(たぶん)正解だったレコード大賞
YELLOW (電気グルーヴ)
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Amazing Journey:
The Story of The Who 2008. 12. 2 (Tue.)
40年を超えるザ・フーの歴史を2時間に濃縮したインタビュー・ドキュメンタリー映画。
30年ぐらい前、撮影と完成の間にキースムーンが死んだタイミングにもThe Kids Are Alrightというドキュメンタリー映画ができたザ・フーですが当時はまだ腐る直前のいちばん熟してた頃合。その後、腐敗や発酵や再生を繰り返して筆舌に尽くしがたい豊穣の味わいを持つに至った楽団の生き様に迫ります。
浪費中毒の天才(故人)と破天荒な天才(故人)と神経質芸術肌でインテリジェンスを併せ持つ天才(健在)と元不良がじつはいちばん真面目だった単なる歌い手(健在)という4人のメンバーとそれを取り巻く人々の波乱万丈。溢れる才能と数々の葛藤がライブステージで昇華されるカタルシス。モータウンカバーのダンスバンド時代から初来日の横浜公演(ウドーロックオデッセイ)のころまでの壊したギターの数だけありそうな満載のエピソードからよりすぐってお届け。笑えるポイントもそこかしこにあります。
終盤は和解という言葉ではいい足りない生き残り二人の絆が伝わる感動の大団円。
多感な青春時代をアルバムQuadrophenia(邦題「四重人格」)のおかげで生きながらえたわたくしですが、ここ最近の来日公演と本作をもって老いさらばえることもできそうな気になってきました。
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THE WHO(さいたまスーパーアリーナ) 2008. 11. 17 (Mon.)
THE WHO初の単独来日公演。開場の2時間前に会場に着いてしまう気合の入れようで、Tシャツ買ってビールも飲んでの準備万端で入場しました。
入場後待つこと1時間、スターキー息子やタウンゼンド弟含む昨今のおなじみのメンバーで登場。4年前の横浜同様、I Can't Explainでスタート。
後方のデカいスクリーンには死んだ二人を含む往時の映像が流れて、どっちを見たらいいのか?状態に。その後も、Anyway Anyhow Anywhereではポップなデザインワーク、Who Are You?ではマネキン風無機質人体CGなど楽曲にあわせた映像が流れ続けるのですが、ステージは映してくれません。動いてるところの大写しでじゅうぶん値打ちがある人々なのに、最後まで豆粒のままだったのが残念でありました。
Love Reign O'er Meでは映画Quadrophenia(邦題「さらば青春の光」)の映像が出てきましたが、スティング登場場面はなし。
だいたい5年前の横浜と同じセットリストで、Won't Get Fooled Again(邦題「無法の世界」)で感動の大団円。アンコールもPinball Wizard(邦題「ピンボールの魔術師」)から始まるトミーメドレーからSee Me Feel Meの誰もが涙するリフレインの大合唱で大団円かと思いきや、生き残りの二人だけで軽く1曲やってお開き。
ギター破壊パフォーマンスこそなくなってしまいましたが、4年前と変わらぬ健在振りを見させてもらえました。あと5年はイケることでしょう。
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小室サウンド 2008. 11. 5 (Wed.)
小室逮捕で小室サウンドもしばらく聴けなくなるかも、と思いつつ別に聴きたくないけど小室がらみのCDを等でも哲哉でもいいので持ってたような気がするので探してみたところ、1枚だけ出てきました。
ボディコンのお姉さん12人を並べて歌わせたB・C・Gというグループの「ハードコア」なる6曲入りCD。
もちろんB・C・Gはボディ・コンシャス・ガールズみたいな意味合い。赤の4人が格上で黒の8人がその他大勢のように見えますが、実際にどうだったのかまったく記憶にありません。
1993年の作品。ジュリアナブームもそのへんで、これはバブル崩壊後のことでありまして、テレビのバブル期回顧企画ではいつもお立ち台ギャル映像が出てきますが、毎度納得いきません。
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Brotherhood
-The Best of The Chemical Brothers-
2008. 10. 30 (Thu.)
前のベスト盤はCCCDだったんで買わずにいたケミカルブラザーズのベスト盤。前のベスト盤のときはCCCDだったので、DVDを買ったのですよ。DVDプレイヤーは持ってませんから、パソコンで見なければなりません。で、程なくして液晶ディスプレイを買い換えるハメになったと記憶してます。
DVDでは苗場のライブも入っていまして、これは現地で見たのですが現地では遠すぎて見えませんでした。DJ系の人々の場合、家でCDなどに保存したデータを持参して、機器を操作する振りをしているだけでもわかりません。実際、そういうイカサマDJが知り合いにいます。
で、DVDを見ても結局のところ、そういうところの真相はわかりませんでしたが、こういう音楽には見どころはあまり感じません。ディスプレイがいかれたり、プロモビデオが映像作品としてStarGuitarとLet Forever Beの2曲を除いてそんなにすごいというわけでもないので、その2曲を除くと2周も見てないと思います。書いてて気づいたのですが、StarGuitarのビデオはCDにもおまけで入ってたはずで、ますますわたくしの中でのDVDの値打ちは下落しております。
それはさておき、このベスト盤を聴いて思うのですが、ベスト盤ぐらい歌ものの比重を増して、ライブでは自分で歌ってみるということにチャレンジしていただきたいという希望を持ちました。
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伊藤芽衣ミニコンサート 2008. 10. 20 (Mon.)
ラブコマンダー星から地球に舞い降りてアキバで修行中らしい伊藤芽衣のミニコンサートに遭遇してしまいました。ちーむめい(昔は親衛隊とかおっかけと呼ばれた)の野郎ども5名ぐらいが盛り上げてらっしゃったのが印象的でした。アニメ声で歌って話せますからいまどき重宝なのかもしれません。
ご本人のブログでは以下のような感想を記されています。
正直、競輪場のお客様ゎめいのステージゎ
全力で不思議そうらった笑
ちょっと読みづらいですが、ラブコマンダー星から地球に舞い降りてアキバで修行中という設定、もといプロフィールを知ればやむなしと思えるから不思議です。
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22 DREAMS(PAUL WELLER) 2008. 10. 16 (Thu.)
夏の来日公演以前に出ていたウェラー師の最新作は21曲入りの大作。ここまで感想をまとめられずにいたのは、楽曲群の豊かなバラエティによるところであります。
来日公演でやってくださったようなノリノリ8ビートは2,3曲で、その他欧州に伝わる古今東西ポピュラー音楽の様々なモチーフを楽曲ごとにゲストミュージシャンをかわるがわる使って3分前後にまとめておられます。
ギャラがー兄他オアシスのメンバーとやった手抜きプライマルみたいな楽曲の次にタンゴが踊れるようなラテンなのが出てきたり。ところどころにインスト曲も挟みつつ、ヴァイオリンからラッパからメロトロンまで楽器も豊富。けれども1曲に出てくる楽器は最小限で。
インストの一部とかで凝った音作りもあるものの、概ね一発録りに近い趣で、フツーならば当然消しこむちょっとしたノイズも残して録音スタジオの空気を伝えてくださいます。はるかイギリスから。
そんなわけで、スタイルカウンシルの一発目に古いジャンルも聴けるようにしてニューウェーヴ小僧の耳を広げてくださったように、齢四十、五十から聴く音の世界をまた広げてくださったような気がしました。
余談ながら政治性は僅少。
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SUMMER SONIC EXTRA vol.6
PAUL WELLER Guest:THE TROUBADOURS(SHIBUYA-AX) 2008. 8. 8 (Fri.)
The JAMの初来日公演以来、ウェラー師の来日公演は両国国技館でやったときの1回を除き、入場料4千円がなくて外で聴いた横浜スタジアムも含めてすべて馳せ参じていたわたくしですがサマソニは難しいぞ、と思っていたところに朗報の渋谷公演。1Fスタンディング6,800円。
ゲストの人々が急遽キャンセルで開演時刻を少し過ぎてウェラー師登場。サポートメンバーはキーボードを含めて4名。
のっけから最新作はなかったことにしていいですよ、と言わんばかりに、前作As is Nowで若返った勢いで乗せまくってくれます。4,5曲やった後のエレピのコーナーで落ち着くかと思いきや、The JAM末期の名作「カーネーション」をやってくださったり。
とは言え、クソッタレな大御所にならない最近の作品中心の選曲。メリハリの効いたパワフルでエキサイティングな演奏は、最新の音響設備でスモールフェイセスがやったらこうなったのかも、みたいなことを考えさせてもらいました。後半でナオアコ風でSpeak like a Childを久しぶりに聴かせてもらえたかと思うと、終盤にはEaton Riflesで我々古い客も含めて最高潮。
思えばスタイルカウンシル全盛期は前髪が妙に長かったウェラー師ですが、横髪が妙に長い昨今、ソロ活動としての最盛期に入ってらっしゃるのかもしれません。
それはさておき、スタイルカウンシル解散後としては最高のパフォーマンスだったとわたくしは受け止めました。サマソニも盛り上がることでしょう。
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BEAUTIFUL FUTURE(PRIMAL SCREAM)
2008. 8. 1 (Fri.)
冒頭から腑抜けポップチューンでおののかされたりしつつ全編これまでのキャリアが中途半端に集大成されたような音作り。とらえどころを見つけられないまま終わってしまいました。前作よりかは確実によいですが、その前のテクノ期に較べればぐっと来る何かが欠落しています。
どうやら一番多くの楽曲に携わったスウェーデン人プロデューサーの仕業のようなのですが、噛むほどに味の出るするめのような味わいとも言えなくもなく、案外繰り返し聴けるのではなかろうかという気になっています。
また、人の邪悪を歌うを得意とするプライマルスクリームにあっても、人を上回る世界の邪悪化とその隠蔽のために曖昧を逃れ得ないという状況下の作品として歴史的価値を認めるにやぶさかではありません。
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FUJI ROCK FESTIVAL '08 2日目
ビーフタコス,天国バーガー,ステーキ丼,ソーキそば
2008. 7. 31 (Tue.)
2日目。陣地を確保して日焼け止め&虫よけスプレー後、ビールも飲まずにともかくビーフタコス500円と珈琲でスタート。タコスが若干粉っぽいもののビーフとつけ汁が本格的で大満足。
グリーンにイースタンユース登場。7年ぐらい前に見たときも鼻くその話題をしてましたが、今回も鼻くその話題をまじえつつ熱唱されてゆかれました。
昼前にところ天国で毎年恒例となった天国バーガー700円。これは並んでしまいます。列の途中で買ったビールを飲み終えてちょうどハンバーガーにありつける仕組み。 |
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食い終わるやオレンジコートまで登って食後のラムコークを飲み終える頃合に鈴木慶一/Captain HATE and The Seasick Sailors feat曽我部恵一。鈴木曽我部のけいいちに若者3人のサポートメンバー。1時間の演奏中に通り雨が2回も通り過ぎる風雲のなか、あまり期待してなかったせいかたいそう盛り上がってしまいました。
帰途、アヴァロンでおやつにマンゴーパッピンス500円を買ってちびちび食べながらグリーンまで下るとすでにASIAN DUB FOUDATIONが始まっていました。ノリノリにノリながら昼寝。
起きるとザ・クロマニヨンズ。最後まで聴いていると腹ペコでプライマルスクリームを迎えることになってしまうので、半分ぐらいで我慢してオアシスでステーキ丼&地ビールセット1,000円。豚肉はまあまあでしたが、タレともやしと舞茸と飯をからませれば旨すぎて紅しょうがが邪魔です。
もちろん食後はラムコークで景気づけしてプライマルスクリーム。
新作からは3曲ほどのほぼ定番選曲でしたが、アンコールもなくあっさり引き上げられました。最終日の出演も引き受けたけどギャラが倍増しなかったなどの事情が考えられます。
結局、鈴木慶一の時間帯の通り雨2回だけと近来稀に見る天候に恵まれて、最後はアンダーワールド。4曲目ぐらいで退却。
とは言え、このままでは腹ペコでひもじい思いをするので、ソーキそば700円。一応ダシはとってあるようでしたが、すぐに茹で上がるようにか、麺がイマイチと思いつつ食後は珈琲にして退散。
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FUJI ROCK FESTIVAL '08
初日フィッシュ&チップス,もち豚丼 2008. 7. 30 (Mon.)
昼前に到着して陣地を確保、矢継ぎ早にビールを飲みながら喫煙しつつ日焼け止めを塗りつつ虫よけスプレーを噴霧するや否や向かうはワールドレストラン。毎年1食か2食は食らうフィッシュ&チップス700円。
金曜日に来たせいかかどうかはわかりませんが、今までで一番大きいのに当たったような気がします。食後にラムコーク1杯。
そうこうするうちにくるりが見るからに実力派なサポートメンバー3名引きつれ登場。日英修好通商条約調印150周年とかUKJAPAN2008キャンペーンとか諸々あってNIKKI中心の選曲を勝手に期待したわたくしは完全にはぐらかされました。
木道亭でやってたルックスもイケてる実力派Riddim Saunter ACOUSTICをチラ見しつつフィールドオブヘブンに行ったら雨が降ってきて修行タイムに突入しましたが、そう長く続かずTRAVIS聴きつつKill All Hippies Tシャツを購入して苗場食堂へ。
もち豚丼&ビールセット1,000円。
いつもたいへんな行列であきらめていたのですが、これも金曜日に来たせいかあまり並ばず買えました。
が、期待が高すぎたからかそんなにうまいか?という食後感を残して食後にラムコーク1杯。
うつらうつらKASABIANを聴いてからマイブラの5曲目で退散。
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FUJI ROCK FESTIVAL '08 2008. 7. 28 (Mon.)
11年目に突入したフジロックフェスティバルは、会場周辺で事故死者や麻薬逮捕者が出たりしましたが、便所の列の並び方が変わった年として記憶されることになるでしょう。
昨年、右下図を用いてご説明したように男子用立ちしょん便所が見た目以上に時間のかかる並び方だったところに、ついにフォーク方式が導入されました。しかも便所数大幅削減。その分、個室の何割かに洋式が導入されました。
個室も、10個に一列のフォーク方式から20個ないし30個弱に一列に整理統合され、列は長いが着実に前に進みます。これで大幅にストレスが軽減され、便所の行列にささやかな平和が訪れたと言えましょう。 |
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次はイースタンユースの吉野が言ってた「苗場食堂の椅子下克上」に平和が訪れることが未来への希望のような気がしています。
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DISCO BABY(80_pan) 2008. 7. 22 (Tue.)
テクノポップもテクノ歌謡も第一世代なのに、いやだからこそなのかいまだにperfumeの意味がよくわからなくて困っています。稀にコメントを求められることもありますし。嘘でも楽器を持たせてくれたら、とかショートカットの娘だけは可能性を感じなくもない、などの感想でお茶を濁しているのですが、そんな状況下に救世主出現。
perfumeが売れてなければ興味を持たなかったやもしれませんし、そもそも前身から80_pan自体への転身もなかったやもしれませんが、試聴してみたらたいへんわかりやすかったのでおまけCDつきのHMVで購入。
英語詞比率が高いのとオープンハイハット後ろ打ち過多症が惜しまれますが、テクノをテクノたらしめる諸要素を粒ぞろいの7曲に凝縮して無駄なく楽しめる1枚。
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THE BEST OF(RADIOHEAD) 2008. 7. 18 (Fri.)
大槻ケンヂが「いつも寝てしまうのでエコーズ(ピンクフロイド)のエンディングをいまだに知らない」と言うのとほぼ同じ理由で楽曲とLPがいまいち結びつかないラジオヘッドのベスト盤が出た。税込3,200円で2枚組。
ピンクフロイド(もちろんウォーターズ在籍時)は1枚1枚のコンセプトが明確だったんで楽曲とLPの結びつきはすっと出てきますが、ラジオヘッドにおいてはLPの後半に入ってるような楽曲はさっぱりわかりません。それほど熱心に聴いてないという理由にもよりますが。
最近のベスト盤では収録曲がどのLPに入ってたのかがどこにも書いてないという信じられない事態も見受けられますが、本作はわかりやすく紹介されています。
で、五指に入る俺的名曲の2曲がCCCDだったんで1回しか聴いてない6枚目「ヘイルツーザシーフ」に入っていたことに気づかされたりしました。
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We ate the machine(Polysics) 2008. 7. 13 (Sun.)
4月に発売されてたポリシックスのニューアルバム。前作から1年ちょいでのリリースですから毎度そのペースの速さにお小遣いが追いつかないファンはわたくしだけではありますまい。
全編ノーコンセプトでテクノなSEべったりではありますが、本作最大の特徴はドラムの重さ。手弾きシンセも増量され、バンド化しかもロックバンド化が強調された作りに仕上がっています。
海外含む演奏会を幾たびも重ねられた当然の帰結といえるのでしょうが、下手をするとフツーのバンドになってしまいかねません。
そこで、ラジオヘッドのベスト盤を聴いてて思いついたのですが、いつも躁の人が突然鬱をやってみることで意外な名作ができ上がるのではなかろうかと思うに至りました。
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ジョイ・ディヴィジョン 2008. 5. 27 (Tue.)
名作「アイデン&ティティ」を描かれたみうらじゅん画伯が、それを原作にした田口トモロヲ監督作映画を見て、「先に映画を見といたらもっとうまいこと描けたのに」とパラドキシカルギャグを飛ばしておられました。
そんなことを想起させられたのは、インタビューを中心にしたジョイディヴィジョンのドキュメンタリー映画を見てきたのですが、それが先日見た「コントロール」のまるで原作だったからであります。
死ぬ前のトニーウィルソンをはじめ、ファクトリーのおなじみの面々に加え、ベルギーのカーティス愛人アニークオノレらも登場(嫁はんは自著の引用が数回出てくるものの出演はなし)。彼らがジョイディヴィジョンとイアンカーティスについて語るのですが、その多くが「コントロール」で描かれてた内容だけに「そうですよね」「そうでしたよね」と自分も居合わせたことのように聞こえてきます。
なので、こっちを先に見てから「コントロール」を見たほうがよかったかのような気になったのでした。トニーウィルソンの番組で「トランスミッション」を演奏する「コントロール」の一場面がいかに実際の映像とそっくりかということも、トニーウィルソンの前口上とあわせて判明しました。
終盤、ジョイディヴィジョンの作品を何十年の封印を解いてニューオーダーが演奏する映像インサートで感動の大団円を迎えます。俺様的には苗場で見たのでよいのですが、楽曲が聴ける時間が短いです。使用料のせいかどうかはわかりませんが、作品中にかかるどの楽曲もその短さにいらいらを募らされて、ここんとこジョイディヴィジョンのCDばかりを聴く羽目に陥らされました。
たまたまイアンカーティスの命日の日曜日に見てしまったのですが、月曜日も無事に生きながらえています。
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Captain Hate & First Mate Love(鈴木慶一)
2008. 5. 11 (Sun.)
鈴木慶一約15年ぶりのソロアルバムは全編曽我部恵一との二人仕事。ムーンライダーズ30周年記念ライブでは一人でスカンピンを熱唱されてたサニーディ曽我部。最近は若々しい馬鹿ロックに打ち込んでおられるようですが、ここでは酔いどれ船長を心地よく導く一等航海士に徹しておられます。
渋い単館映画のエンディングのような楽曲が揃って、せっかくの航海が雨天決行という趣。しょうがないので狭い船室で船長の勧める洋酒を飲んで寝てしまいます。なのでなかなか後半の楽曲まではたどり着けませんでした。
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J-POP(電気グルーヴ) 2008. 4. 30 (Wed.)
ジャケ写同様ハンサム化した電気グルーヴの最新作。
冒頭808丸出しの古いリズムトラックで昔からの馴染客のハートをキャッチ。その後も概ねセンスが問われるシークェンスを無難に重ねつつソフィスティケイトされた電気グルーヴのハンサムっぷりを堪能させてもらえます。なので、小さい音、とくにi-Podとかではまったく何も伝わってきません。何年かぶりにサウンド&レコーディング誌を立ち読みさせられてしまいました。
先行シングルのヒット曲「モノノケダンス」「少年ヤング」もアルバムミックスということでハンサム化されているのでプロモビデオのDVD付初回限定盤を購入して正解だったと思います。とくに「モノノケダンス」衝撃のエンディングは何度見ても鳥肌モノであります。
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MUSIC FROM THE MOTION PICTURE
CONTROL
A FILM BY ANTON CORBIJN
2008. 4. 28 (Mon.)
24hour Praty Peopleのときは映画公開を待ちきれずに先にサントラ盤を買った気がするのですが、本作のサントラ盤を買うつもりはありませんでした。
が、劇中気になったのがテレビ出演の演奏シーン。元々ヘタウマバンドとはいえそれ以上に下手さがそこはかとなく伝わってきてテレビ初出演の緊張がひしひしと感じられたのでした。実際の(下手な)ライブ録音にあわせて演奏シーンを撮影したのかどうか、などと考えましたがどうやら出演キャストによる演奏だったようです。
パンフの細かい文字を老眼鏡で読んだところ、劇中使用されたジョイディビジョンの名曲11曲中8曲までもが出演キャストによる演奏でありました。そのほとんどがさわりだけでしたが、テレビ出演シーンのTransemissionだけはフルコーラス。これがサントラ盤に収録されていたので購入にいたったというわけであります。
他にピストルズのライブやニューオーダーの新小品、クラフトワーク「アウトバーン」のロングヴァージョンなども収録。ただし、本作タイトルのベースにもなってるはずのShe's Lost Controlは出演キャストのさわりだけだったためか収録されずに残念。
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CONTROL 2008. 4. 26 (Sat.)
高校生から葬式までの5年ぐらいを描いたイアンカーティス伝記映画。駆け出し時代にジョイディビジョンを撮影しその後ロック写真家の大御所となったコービン監督作品。
物語自体はたいしたことないのですが、持病や家庭問題に苦悩する生き様が楽曲に反映される様を感じさせられ、元々独特の重苦しさを伴ってしか聴けないジョイディビジョンの名曲の数々がさらに濃い陰影をもって立ち現れてきます。
モノクロ作品。監督が写真家だけにどの場面も構図がキマってて広告やパブリシティ用スチールを選択するのに苦労されたのではなかろうかと察します。
あと、あまり劇場でパンフは買わないわたくしですが、たまに買ってみたらレイアウトが違うだけでサイトに書いてあることと同じで損した気にさせられたことがあるのですが、シネマライズはきっちりメディアを使い分けておられる様子です。
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空洞です(ゆらゆら帝国) 2008. 4. 4 (Fri.)
単音トレモロ多用ギター。どこからともなく現れ出でるサックス、女声コーラス、シンセ、尺八、ノイズ。重なる音の間隙の余白に漂う空虚、空洞、くぼみの存在を浮き立たせる楽曲の数々。
己が空虚、空洞、くぼみに染み込む音楽。文明の興ったところすべてに麻薬があったことを想起させるように、麻薬物質が己が体内の空虚、空洞、くぼみに染み入る生命の覚醒を促進。穴があっても、というより穴があるから生きながらえることができるのだよ、と耳元でひそやかに訴えているかのように聴かせてもらいました。
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空洞です(ゆらゆら帝国) 2008. 3. 13 (Thu.)
去年買いそびれたCDとして真っ先に挙げられる本作ですが、そんなことも忘れかけていたある日、スタジオボイス最新号「次世代[オルタナティヴミュージック]ランキング100!」特集を拝読してみたら、なんと「邦楽ベスト20」第1位に祭り上げられているではありませんか。Phewよりも上。
とは言えオルタナティヴミュージックと言っても、ポップグループやスロッビンググリッスルなど、ニューウェーヴ期のなかでも特に前衛性を無理にでもむき出しにしていた人々しかわたくしは知らずあまり造詣は深くありません。スタジオボイス誌のベスト100も知らない人だらけ。また、Phewが上位にランクインしている「邦楽ランキング」にパースペクティヴ(P−MODEL)も「バビロンロッカー(リザード)も入っていないんで懐疑的ではありつつも本作をようやく2,718円+税で購入。
果たして、1日2回は聴きませんが1日1回は聴く中毒状態。何ゆえかについてはiPodに入れてしばし持ち歩きながら考察しようと思います。
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Philharmonic or die(QURULI) 2008. 3. 5 (Wed.)
最初、「くるり初のライブベスト盤」と銘打っていたわりには楽曲にポピュラーなヒット曲少なくあっけにとられたのですが、聴いてみたところどうやらベストなライブのライブ盤であるということがわかりました。
無論、あほほどライブコンサートをなさってるくるりの皆さんのことですから何をベストとするかは超難題だったと思うのですが、割と最近、07年12月にやったパシフィコ横浜のオーケストラ入りのと地元の老舗磔磔(富小路仏光寺下ル)。
ぺらぺらのピックつき2枚組で3,045円
Disc1@パシフィコ横浜
弦だけですが、最新作「ワルツを踊れ」の倍はいるだろうヨーロッパのオーケストラがぐぐっと音に厚みを増して攻めてきてくれます。こんなことなら「ワルツを踊れ」もこのオーケストラを雇って一発録りで収録すればよかったのにな、と悔やまれます。早々2曲目に出てくる「ブレーメン」の終章だけでも3,000円ぐらいの値打ちがあるような気がします。
その後は、概ね弦をはめたくなる音楽の泥沼的楽曲中心の構成。普通のコンサートなら中盤に出てきて、やるほうも聴くほうも緊張を強いられる楽曲が多めに演奏されています。ゆえに一番聴いてない5作目「World is Mine」からの楽曲が多く出てきます。シークェンスサウンドが心地よすぎるWorld End Supernovaまでオーケストラと共演されてますが、これだけは失敗。
フツーのコンサートですと緊張楽曲の後は「ロックンロール」とか「青い空」とか「ワンダーフォーゲル」とかで解放させてもらえるのですが、当ライブ盤は「ジュビリー」でお開きゆえ、どうしても続けて2枚目を聴きたくなってしまうというカラクリ。
Disc2@磔磔
こっちはギターとドラムを招いての4人組バンドであまり難しいことはやらないラフな作りのライブ。序盤勢いで押すところはどうしてもアンテナ期のうるさい外人ドラムはどうしてるかなぁと考えてしまいます。
中盤、緩い楽曲を緩くやってから緊張を強いられる楽曲としてDisc1にも入ってた「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」がまた出てくるのですが、やはり弦は要らんやろうという持論が立証されたように気になります。ギターエフェクトで聴かせてもらえるのですが、そうすると辞めてしまったギター侍大村達身はどうしてるかなぁと考えてしまいます。
ここで緊張を強いられたあと「ばらの花」に行きます。エレピなしでどうなることかと思いきや、ドラムが踏ん張ってくれてたいそうノリのよい「ばらの花」なのですが、ギターがんばれや、二人もいて、という感慨を禁じえません。が、歌が終わるやギターが頑張り出し、ライブ盤ならではの盛り下がりと盛り上がりの浮き沈みを味わえました。
終盤は古い歌が多いのですが、そうすると最初の太ったドラムはどうしてるかなぁと考えてしまいます。
残念なのは楽曲と楽曲の間が編集されていて時間が断絶すること。次のライブ盤は楽曲と楽曲の間や岸田の野球話やチン毛話も楽しめる作りにしてもらいたいと願います。
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MOONRIDERS 1980・2・23
リサイタル−MODERN MUSICの彼方
2008. 2. 19 (Tue.)
DEVOがやってるみたいな楽曲に作り変えられた「スパークリング・ジェントルメン」で始まるアーカイブシリーズ3作目。前2作はさすがにプレ・ニューウェーヴ期のライブ盤だっただけに買うのをぐっとこらえましたが、ついにニューウェーヴ期突入ということで3,675円の2枚組を購入。
ニューウェーヴに片足を突っ込んだ5枚目「モダンミュージック」(1979年)の楽曲中心。歌の途中で関白宣言への嫌悪感を述べたりしつつ性急な演奏、旧作の脱構築でその時代を振り返るに余りあります。
余談ながら、滅多に使われなくなった「リサイタル」ですが、HatenaDiaryKeywordでは以下のように記されていました。
独唱会、独奏会。
クラシック系及びシャンソン歌手や演歌歌手が用いる事の多い表現。
ポップス系の歌手はまず使わない。(除く:ジャイアン)
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TEENAGER(フジファブリック) 2008. 2. 8 (Fri.)
ジャケット背景色がWEEZERの青の青。内側はWEEZERの緑の緑からも察せられる自信作。
「若者のすべて」を名曲と認めるにやぶさかではありませんが、エレピの楽曲よりオルガン系の楽曲がぐっとくるキーボードバンドの面目躍如な変態ポップスの数々。フレーズとフレーズのつなぎに懲りすぎるところがいかがなものかという感慨もなきにしもあらずですが、岡田徹がいるムーンライダーズ、阿部Bがいたユニコーンの若いころになぞらえることもできましょう。彼らの若いころには希薄なロックスピリッツに由来するアメリカの悪口も聞くことができましが、彼らとは違って歌を作る人がほぼ一人にゆだねられているところが少し気がかりですが、よけいなお世話ですね。
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IN RAINBOWS(RADIOHEAD) 2008. 1. 23 (Wed.)
昨年末、ぶらりと入ったHMVでCD発売を知って購入したていたらくぶりでして、それ以前に配信で言い値で売ってたらしいことを後でTVブロスかなんかのインタビューで知りました。それって昔平沢進がやってたやつですかね。当時はMP3が何なのかまったく理解不能でしたが、今はそのスカスカっぷりを多少知っています。
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