音楽日報'09
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輝け! イマケイレコード大賞2009  2009. 12. 26 (Sat.)

僭越とは思いつつ年末恒例のレコード大賞。今年も購入した極僅かのCDのなかから厳選された作品を発表して労をねぎらいたく思います。
少々昔の作品でも日本版未発売でわたくしが今年ようやく聴いたものには受賞資格があります。ただし。ダウンロードは含みません。またリマスター盤も含みません。どちらも購入してませんが。

■レコード大賞(欧州ほか)
the eternal (sonic-youth)

■レコード大賞(国内)
SAKANA ELECTRIC DEVICE (VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)

■最優秀新人レコード大賞
Never Cry Another Tear (BAD LIEUTENANT)

■審査員特別功労賞(欧州)
armed love (The (International) Noise Conspiracy)

■審査員特別功労賞(国内)
Pirate Radio, Seasick (Captain HATE and The Seasick Sailors)
Tokyo 7 (moonriders)
absolute POLYSICS (POLYSICS)

■買ってがっかりさせられたレコード大賞
ハイファイ新書 (相対性理論)
魂のゆくえ (くるり)

■買うのを我慢して(たぶん)正解だったレコード大賞
20 (電気グルーヴ)−2年連続受賞
シャンブル (ユニコーン)

Never Cry Another Tear(BAD LIEUTENANT)
  
2009. 12. 14 (Mon.)

ヒゲ脱退でニューオーダー解散状態のなか、バーナードサムナーが若者を引き入れて結成した3人組バンドのデビュー作。日本盤は税込2,490円。
メンバー3人はすべてギター担当。そんなわけで余ってる人がアコギをじゃかじゃか鳴らしたせいか、ネオアコ風味のニューオーダーという出来上がり。ニューオーダーでは滅多に聴けなかった、音符の多いテクニカルなギターサウンドもところどころに散りばめられています。
サムナーがフケたり枯れたりしてなさそうなところはいいのですが、ギターがうまいせいか、若者の懐古趣味が災いしている楽曲が続く後半はちょっと眠たいです。

moonriders TOUR'09"Tokyo,Osaka 7"  2009. 11. 28 (Sat.)

後楽園にいつの間にかできていたJCBホールにて、税込6千円。
長い長いファンファーレの哀しい音色が響くなか、ステージ後方の搬入口が全開され、仁王立ちのメンバー登場という演出。ステージに入るや、卓球台みたいなせり出しにサポートのドラムの人も加えて7人が乗ってアンプラグド風でオープニング3曲ほどやってから、新作中心のおじいさんロックな演奏を重ねてゆかれます。
途中、初期の名曲「ハバロフスクを訪ねて」が前衛的なアレンジから徐々にオーソドックスなアレンジに変わり、さらに大げさな古典ロマンへ移行するという音楽的盛り上がりにチャレンジされる趣向も盛り込みつつ、最後はメンバー全員が一番ずつ歌唱する最新作「6つの来し方行く末」で大団円を迎え、ギターのループ音を残したまま客席通路を通って退場。
アンコールは中期の大傑作「Frou Frou」で始まりましたが、3曲あっさりやって、煮え切らないまままたステージ後方の搬入口を全開にして去ってゆかれました。
終演時刻がドームでやってたポルノグラフティと重なり、少し後味を悪くさせられました。

Absolute POLYSICS(POLYSICS)  2009. 11. 18 (Wed.)

レコードは大概持ってるけれどもライブを見てないバンドとして、わたくしにとってはビートルズ級の存在だったポリシックスですが、念願かなって夏にライブも見られたし、ここんとこのヘヴィロック路線は好みと違うんでそろそろ毎年毎年リリースされるCDを買うのも他の人にまかせてよいかな、と思ったところがぐっと戻ってきてくれました。
ひょっとすると学研大人の科学シンセサイザークロニクル付録アナログシンセサイザーSX-150の影響なのかもしれません。スピードアップして軽やかになったリズムにテクノポップなピコピコ音とニューウェーブな古いシンセ音が憂鬱な狂躁を醸し出しています。
中ほどには昔の電気グルーヴがLPに1曲入れてたようなテクノな名曲もあってお買い得の税込3,095円(通常盤)。引き続き歌詞はノンセンスゆえ楽曲が覚えづらいのと後半は疲れてしまいがちなところはあるものの、ほぼ全曲3分以内にまとめてくださっているのでなんとかついてゆけました。

SAKANA ELECTRIC DEVICE
(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)  
2009. 10. 15 (Thu.)

シンセかサンプラーのプリセットに入ってる音源全部使ってみました、みたいな中途半端に古めかしい電子音が潔いほどむせ返るなかに、核たるバンドサウンドとアヒトイナザワの民謡からニューミュージックまでイケる歌声が伸びやかに躍り狂う渾身の俺たち流テクノ。
一部の歌詞が若いぞ、青いぞというところが若干気にかかりますが、80年ごろにテクノポップとニューウェーヴが興ったときに夢想した未来のヒット曲の一つの類型がここにあります。
ヴァライエティに富む10曲入りで税込2,800円。

シンセサイザークロニクル  2009. 10. 7 (Wed.)

SX-1502008年夏の発売から苦節1年。ようやく学研大人の科学シンセサイザークロニクルを手に入れることができました。こんなわたくしでも付録のアナログシンセサイザーを組み立てられるのか?
たいがいのことを人並みか人並み以上にソツなくこなす俺様ですが、工作とセックスだけはからきしダメなのです。
後者についてはあまり関係ないので稿を改めるとして、右画像でおわかりのように小1時間かけて完成にこぎつけることに成功しました。(説明書にある組み立て所要時間は「約20分」)
音も出ました! 手前の茶色い縁のあるところを電極棒で触れると音が出ます。左の方が低音で右が高音。フレットレスなのでメロディーを奏でようとすると音痴になります。縁取りのなかにある小さなマークとマークの間で1オクターブだそうなのですが、わたくしの耳には1オクターブ半ぐらいに聴こえます。組み立ての不手際によるものなかどうかは謎ですが、どうでもいいです。ヘンな音をいろいろ出せるというだけでじゅうぶんシンセサイザーとしての機能を果たしてくれていると思うのです。

Tokyo7(moonriders)  2009. 9. 30 (Wed.)

未だ老成に至らない大御所ムーンライダーズ約3年ぶりの新作。
こんなに明快なムーンライダーズはいつ以来か? Bizarre Music for You(1996年)や青空百景(1982年)を想起させるおよそ13年周期でやってくる開き直り作。
テクノ期のリズムの強度や現代思想こそありませんが、それらを補って余りあるヴォーカルとハーモニーの膨らみやからみあいとろけあうアンサンブル。たぶんここんとこ頻繁にライブ活動をこなされてきてバンドとしての最盛期を三十年かけてようやく迎えられたからの成果と言えるのではと考えます。
最終曲はメンバー6人全員が1番ずつを歌う「6つの来し方行く末」なる楽曲。それぞれの誕生月にちなみつつそこはかとなくキャラを織り込んだ歌詞(鈴木慶一作)を歌われるのですが、鈴木慶一のビミョーな楽団リーダー三十年の集大成と涙ながらに受け止めました。それが長いつきあいの客にしか伝わらないのもムーンライダーズのムーンライダーズたる所以。

Pirate Radio, Seasick (Captain HATE and The Seasick Sailors)  2009. 9. 15 (Tue.)

イマケイレコード大賞審査員特別功労賞をはじめ、昨年音楽賞を総ナメしたキャプテン・ヘイト&ファースト・メイト・ラブがクルーを増員しての2作目。遠い遠い未来の海賊放送という設定でキャプテン・ヘイトの謎が少しずつ解き明かされつつ、わけのわからないままに終わります。
スクラップでできた環礁に浮かぶ不戦戦艦に属する楽団シーシック・セイラーズによるバンドサウンド。その出自に加え、遠い遠い未来の出来事ということからして、哀愁溢れるサウンドにならざるを得ないのですが、アコーディオン含む鍵盤が魂の緊張をわしづかみにしてくれるので、前作ほど心地よく眠くはなりません。
コンセプトに縛られていい仕事をしてきた鈴木慶一の真骨頂とコンセプトなき時代を切り拓いた曽我部恵一の程よい混ざり具合。理解を助けるような妨げるようなシュールなDVDもついて税込3,900円。

FUJI ROCK FESTIVAL 09  2009. 7. 29 (Wed.)

グリーンステージ4万人収容肝心の音楽の話しをしてなかったんで、軽く振り返っておきたいと思います。
朝一はポリシックス。わたくしにとっては、CDをほとんど持っているのにライブを見そびれてるバンドの代表格。ニューウェーヴテクノのヘヴィ化に取り組んでおられる昨今の作品同様ヘヴィな演奏。80年代的時代精神はもはやシンセのお姉さんのみにゆだねられた模様と受け止めました。

ホワイトステージ1万人収容午後はオレンジコートの頭脳警察から。開演予定時刻を10分近く過ぎてようやく登場。ひょっとしたら2人だけでやるのかと思いきやサポートメンバー4人を加え、「ボーンツービーワイルド(日本語詞)」から始まる70年代的時代精神を醸し出すロックな演奏。昔流のサウンドバランスなので、せっかく若者たちにも聞かせてやりたい歌詞が聞き取りづらいです。照れ笑いをはさみながら10月にニューアルバムをリリースすると発表され、新曲も1曲。題して「俺たちに明日はない」。
6曲目ぐらいに「サマータイムブルース(日本語詞)」から代表曲「銃をとれ!」に移って盛り上がってきたところでまた「サマータイムブルース(日本語詞)」に戻って終了。ここで本降りの雨。終演予定時刻まで10分以上残しての終了という遅出の早仕舞いだったので、フィールドオブヘヴンから聴こえてきたサニーデイサービスへ。
オレンジコート5千人収容 ベスト盤に入ってるなじみのある楽曲中心の構成のなか、新曲も2曲ほど披露。頭脳警察とは逆に歌詞が聞き取りやすすぎて90年代後半の世界の半径が狭まる時代精神を感じてしまいました。
夕刻、レッドマーキーに降りてきてフリクション。ベースとドラムの2人だけ。80年的時代精神を期待してましたが、きっちりオルタナ以降の現代性溢れる音作り。されど体格は完全におっさんのそれ。
ここまで日本人ばかりだったので、浜崎貴司も高橋幸宏も遠慮してウィーザーに備えましたが、これまでに出てきた全員を合わせたしゃべくりより多くの日本語しゃべくりを聞かされ、なごんで終了。

FUJI ROCK FESTIVAL 09  2009. 7. 28 (Tue.)

天国バーガーとフィッシュ&チップスが欠かせないフジロックフェスティバルですが、11時半からのポリシックスに余裕で間に合うように10時台に天国バーガー売り場に赴いたところ開店前。
しょうがないので隣の店で売ってたワレメ天国という食品に、そのネーミングにも惹かれて挑戦してみました。
ワレメ天国
ジンギスカン丼硬めのパンの中央部にワレメを入れて、そこにハッシュドポークを流し込んだ代物。他にスジカレー、チキンクリームシチューもありましたが、ホルモンもかしわも苦手なわたくしには選択肢たりえません。
あと、夕方の頭脳警察の待ち時間にオレンジコートのジンギスカン丼にも挑戦。どちらもまずまずでしたが、また来年も是非食いたいと思うほどには至らず、サニーデイサービスの後フィッシュ&チップスを食べて帰り際に豚汁ぞうすいで終了しました。途中、ビール1杯、ラムコーク3杯。

FUJI ROCK FESTIVAL 09  2009. 7. 27 (Mon.)

行ってきました。
日帰りはあわただしくなってしまいます。ふだんなら無理してまで見ないもんも、今日1日ですべてを出し尽くさんと意気込むと、つい。
うさぎ_夜
うさぎ_朝

滝行  2009. 7. 26 (Sun.)

もうウェラー師はとっとと帰られたことと思うのですが、ひょっとしたら居残ってぶらぶらされてるかもしれません。
ちょっと探しに行ってきます。
天国バーガー

魂のゆくえ(くるり)  2009. 7. 9 (Thu.)

魂のゆくえというより才能のゆくえが気になってしまうくるりの最新作。岸田歌唱のおかげで気に障るほどではないのですが、懲りすぎるメロディーとしつこくつきまとうハーモニーとピアノの細かい音符のおかげで一向に魂が伝わってきません。
伴奏もテクニシャンで固められてることが察せられるのですが、打楽器がダメで聞き流す分には程よいBGM残念作。

the eternal(sonic-youth)  2009. 6. 24 (Wed.)

イマケイレコード大賞2006を差し上げたソニックユース3年ぶりの新作。
今回新にベースの人が参加して5人組になるとともに3本目のギターの音が聴こえてきます。わたくし的にはギターが二人以上いるバンドをあまり好みません。レコードは多重録音すればいいし、ライブでは音が多すぎるし、ギターが2人以上いるおかげで成り立つ楽曲がそうあるとは思えないからです。ただし、その例外として挙げられるのがミックテイラー在籍時のローリングストーンズとソニックユースなのです。あまり興の乗らない楽曲においても微妙にずれたギターアンサンブルだけでも聴くに値すると思わされることがしばしばあるからです。
それはさておき、絶妙の不協和音からはじまる本作は、そんな3本目のギターがどうしたとか取るに足らないこだわりがどうでもよくなるカッチョいいオルタナ見本市。前作では音楽のぬかるみにハマったノイズのコーナーが中盤以降にままあってエンディングに達することなく集中力を失うところもあったのですが、その反省からか後半にもわかりやすい楽曲を配してくださっていて一気に楽しめます。
ただし、最後にここぞとばかりにアコギ基調10分の大作があるので、なかなかボーナストラックにたどりつけません。

ザ・ワイルドワンズ(平塚競輪場)  2009. 5. 9 (Thu.)

河川敷駐車場SS級全員参加の共同通信社杯とSSシリーズ風光るのあおりを食った高知記念と平塚記念と一宮記念。アメリカ発大恐慌のあおりで売上が伸びないうえに入場者数も苦戦しています。
そんななかの平塚記念最終日、平塚競輪場横河川敷駐車場に昼過ぎに着いたのですが、東海道線の鉄橋の相当手前に自動車を止められたことは過去にはありませんでした。
それでも8千人を超える入場者数を記録したのは、ザ・ワイルドワンズの動員力も若干は寄与してるものと思われます。何十年もザ・ワイルドワンズを見てそうな十名ほどのご婦人の集団が金網前にいらっしゃったからです。
ザ・ワイルドワンズ それはさておき、8R終了後にバンク内ステージに登場のザ・ワイルドワンズの皆さん、冒頭はフォーリーブス形式で振り付けつきで。2曲目から楽器を持って、加山楽曲とアニタ、そして想い出の渚の4曲でコンパクトにまとめられました。
表彰式終了後に再登場。ブルーシャトーで始まるGSメドレーから加山楽曲をまじえ想い出の渚。一昨年ぐらいにログステージでやったのとかなり同じ構成で、何年かやってる分ネタがこなれてきてコミックバンドとしても円熟期を迎えつつあるのかもと思わせました。
ただし、ログステージと違ってPAが思わしくないせいか、演奏および歌唱は老境期かという感慨を禁じえません。
左は鳥塚しげきさらに、何十年も前から必要以上に黒々としていた加瀬リーダーの頭髪が歳相応の白髪まじりになっていたのも老境期感を高めていたような気もします。
裏門と河川敷駐車場の閉鎖時刻が気になったので、想い出の渚を拝聴しながら退散。

多摩蘭坂  2009. 5. 7 (Thu.)

泉谷は認めていない忌野清志郎逝去ですが、たまらん坂に赴いて受け入れざるを得ないと考えるに至っています。
たまらん坂たまらん坂
PAUL WELLER JAPAN TOUR 2009(studio coast)
  
2009. 4. 6 (Mon.)

STUDIO COASTサマソニから1年を経ずにウエラー師の来日公演。
今回はベスト盤には入ってるけど比較的地味目な楽曲のなかに新作「22 Dreams」からの楽曲を交える構成。あいかわらずchanging manっぷりを発揮されてますが、1曲やってくださった最新曲は往年のブラーみたいでした。
ドラムが見慣れない長髪になってましたが、その他は見覚えあるメンバー。
中盤からエレピのコーナーを数曲やってから、アコーステッィクなコーナーへ。22 Dreamsに入ってた抽象音楽も合間に奏でられ、このなかの30秒ぐらいだけベースの人がチェロを弾いたりもなさいました。30秒ほどだけのためにわざわざチェロを持参したのか調達したのか、たいへん気になりました。アコースティックなコーナーでThe Jam時代のButterfly Collectorをやった以外は古い楽曲はありませんでしたが、2回目のアンコールをTown Called Malice(邦題「悪意という名の街」)で締めくくってお開き。
去年、サマソニextraみたいな企画で渋谷アックスでやった公演が過去最高にノリノリだったのは、エレピのコーナーもアコースティックなコーナーもなかったからだと考えるのですが、新作を交えてる暇がなかったからという理由もあるのかもしれません。

ハイファイ新書(相対性理論)  2009. 2. 18 (Wed.)

HMVのポイント10倍セールに何か買わな損という気にさせられて評判を聞きつけていた相対性理論の新作を2,300円で購入。女声ボーカルということも知らずに。
気持ちいいツボの少し横をゆる〜いアタックで指圧する楽曲と意味を解体しようとする試みがあざとい歌詞のぶつかりあいが面白くなくもなくて、テンポの速い楽曲ではどうせ流行るならこういうのがいいなとは思いますが、ダウナー系の女声ボーカルを聴く趣味がないのでちょっと失敗。

armed love
(THE (INTERNATIONAL) NOISE CONSPIRACY)
  
2009. 2. 11 (Wed.)

2002年にイマケイレコード大賞を差し上げたThe (International) Noise Conspiracyによる2004年リリースの3作目か4作目。日本盤が出たら買おうと思いつつ2作目以降は日本盤が出てなかったのですが、吉祥寺新星堂の輸入盤投売りセールで購入。
いつの間にかキーボードの人(北欧美人)が抜けてますが、ほぼ全曲キーボード入りでハイヴズよりも飽きの来ないガレージサウンドを基調としつつ、1作目よりも難しいヒネリは避けたわかりやすい構成でアジりまくります。冒頭から2曲続けてスネア4つ打ちで飛ばし、黒覆面着用の高揚感などを歌って革命戦士を煽ってくれ、勝てるような気になってしまいます。

ZAZEN BOYS 4(ZAZEN BOYS)  2009. 1. 18 (Sun.)

繰り返される諸行無常とそれでもやっぱり蘇る性的衝動というナンバーガール以来の向井の中心テーマをこれでもかと突き詰めんがために、ワンコードごり押し、無調、変拍子多用などのZAZEN BOYS的手法に今回はシンセ、リズムマシンにファンクな16ビートを大きく導入。
横揺れサウンドが引きずり出す本能の支配。欲望に溺死する荒涼たる心象風景と欲望都市描写とのマッチング。数千年間あいも変わらぬ中心テーマを都会の空しい数時間に凝縮する試みに成功。

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