音楽日報'17
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輝け! イマケイレコード大賞2017  2017. 12. 26 (Tue.)

年の瀬です。年末なんで恒例のイマケイレコード大賞です。毎度なけなしのお小遣いをはたいて購入した数少ないCDのなかからの選出なので安室引退とか関係ないです。

■レコード大賞(欧州)
slowdive (slowdive)

■レコード大賞(国内)
Mellow Waves (Cornelius)

■最優秀新人レコード大賞
該当作品なし

■審査員特別功労賞
キュウソネコカミ -THE LIVE-
DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016/2017
ボロボロ バキバキ クルットゥー 
(キュウソネコカミ)
WEATHER DIARIES (RIDE)
XXL (岡崎体育)
A KIND REVOLUTION (Paul Weller)
太陽肛門スパパーンと人間 (太陽肛門スパパーン)


■買ってがっかりさせられたレコード大賞
該当作品なし

■買うのを我慢して(たぶん)正解だったレコード大賞
Masseduction (St. Vincent)

にゅ〜うぇいぶ(キュウソネコカミ)  2017. 12. 25 (Mon.)

にゅ〜うえぃぶ今年初めに集大成的なライブ盤を出したはずのキュウソネコカミが早くも新作発表。全14曲にシークレットトラック1曲、さらにライブDVD9曲副音声雑談入りまでついて3,500円+税。
集大成的なライブ盤を出した後で、タイアップ曲も増えてきてのタイミングでなんらかの新機軸を聴かせてもらえるかと思いましたが、思い過ごし。相変わらず小さな怒りや世の矛盾や不条理をふくらましてからまた小さなところに落とす歌の数々を、ライブに適したハイテンションでぶちかまされてゆかれます。


それでも小さな新機軸としてのオペラや昭和歌謡、Radiohead のあのギターサウンドの導入などの小さな聴きどころも随所に。また、冒頭1曲目と最終14曲目に魂を揺さぶる魂の叫びを率直に楽曲化した名作が配されていて、途中どんだけふざけてても最終的に信頼できる奴らだと信じることができます。

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NOMC15 (NEW ORDER)  2017. 12. 20 (Wed.)

80年代はライブが下手で確たる定評あったニューオーダーですが、道一筋30年もやってるとそれなりにさまになるものです。
21世紀に入り、またベースのヒゲが抜けたあたりから、若いやつを2人入れたり打ち込みシークェンスも大胆に導入してますますさまになってきて、アンコールではジョイディヴィジョンの楽曲もやるに至りました。
そんな2013年にライブ盤が出て、そのあと1枚しか新作を発表してないのにまたライブ盤です。2枚組19曲入りで2,500円+税。
前のライブ盤が新作少なくベスト盤の趣だったのに対し、本作は前半の半分、全体のおよそ三分の一程度が新作からの楽曲という構成で、去年新木場で見たのとほぼ同じではありませんか。
そのうえ、イントロのワーグナーも入っています。なぜかグラストンベリーのワーグナーのところは埋め込めないのでYouTubeは以下に。
https://youtu.be/W1ji46QgXwo

昔のヒット曲だけでもじゅうぶんライブが成り立つ大御所ポジションから、老いても盛んな兄貴分に降りてこられて若いやつらはますますうかうかしてられません。

NO song[cd1] LP 12
1 Introduction:
Das Rheingold
- Vorspiel (Wagner)
   
2 Singularity 9th"Music:Complete"(2015)  
3 Ceremony single(1981)  
4 Crystal 7th"Get Ready"(2001)  
5 586 2nd"Power, Corruption & Lies"(1983) *
6 Restless 9th"Music:Complete"(2015)  
7 Lonesome Tonight 2nd"Power, Corruption & Lies"(1983)  
8 Your Silent Face 2nd"Power, Corruption & Lies"(1983)  
9 Tutti Frutti 9th"Music:Complete"(2015)  
10 People on the High Line 9th"Music:Complete"(2015)  
11 Bizarre Love Triangle 4th"Brotherhood"(1986) *
  song[cd2] LP 12
12 Waiting for the Siren's Call 8th"Wating for the Siren's Call"(2005)  
13 Plastic 9th"Music:Complete"(2015)  
14 The Perfect Kiss 3rd"Low-Life"(1985) *
15 True Faith single(1987) *
16 Temptation single(1982) *
17 Atmosphere (Joy Division cover 1980) *
18 Love Will Tear Us Apart (Joy Division cover 1980) *
19 Blue Monday single(1983) *
* Live at Bestival 2012 にも収録

[ご参考]2016年5月27日新木場コーストの演目
NO song LP 25
1 Singularity 9th"Music:Complete"(2015)  
2 Ceremony single(1981)  
3 Academic 9th"Music:Complete"(2015)  
4 Crystal 7th"Get Ready"(2001)  
5 586 2nd"Power, Corruption & Lies"(1983) *1
6 Restless 9th"Music:Complete"(2015)  
7 The Game 9th"Music:Complete"(2015)  
8 Your Silent Face 2nd"Power, Corruption & Lies"(1983)  
9 Tutti Frutti 9th"Music:Complete"(2015)  
10 Bizarre Love Triangle 4th"Brotherhood"(1986)  
11 Waiting for the Sirens' Call 8th"Waiting for the Sirens' Call"(2005)  
12 Plastic 9th"Music:Complete"(2015)  
13 The Perfect Kiss 3rd"Low-Life"(1985)  
14 True Faith single(1987)  
15 Temptation single(1982)  
  encore
e1 Atmosphere (Joy Division cover 1980) *2
e2 Love Will Tear Us Apart (Joy Division cover 1980)  
e3 Blue Monday single(1983) *3
*1) 25日は2曲目にRegret | 6th"Republic"(1993)で586なし
*2) 25日はなし。代わりにアンコール最終曲がSuperheated | 9th"Music:Complete"(2015)
*3) 25日はアンコール1曲目

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太陽肛門スパパーンと人間(太陽肛門スパパーン)
2017. 11. 30 (Thu.)

白ブリーフ一丁がユニフォーム。花咲政之輔率いる太陽肛門スパパーンの初期ベスト盤。シュールで前衛的な近未来SFミュージカル映画「世界に一つだけの花」約30分のおまけ付で2,500円+税。
メンバーの多さから米米的なファンク歌謡を想像してまして、CD1曲目「哀愁グッドバイ」(2003年発表)はそんな感じですが、いささか昭和歌謡テイスト。歌詞カードでは花咲が次のメッセージを添えられています。
小泉、竹中。壊されてしまった世界で俺たちは中央線に向かって翔ぶのではなく、もう一つのこの世への跳躍をとげなければならない。自殺者3万人の国で君はスキルアップを目指す?


心ある学会員の方々、決起せよ!のメッセージがついた最終10曲目「青春!夢!仏教徒!」もサンバリズムのその路線。
ですが、途中はザッパ風アバンギャルド、四畳半フォーク、モダンジャズ、ムード歌謡、シティポップなどなどその音楽性は縦横無尽。手練れの演奏者に少々の音痴を交え、歌詞は下ネタ満載。これは白ブリーフ一丁のユニフォームともあわせ、徹底的に売れない(=消費されない)要素を随所に埋め込もうと意図されているように感じたのですが、全体として現代日本土着の前衛音楽となっています。
おまけのDVD「世界で一つだけの花」も悪夢のような近未来(異端児が赤紙で葬られて世界に一つだけの花とされ、平成30年にいじめ0を実現した中学校の校長がアベシンゾー)ミュージカルも後半の前衛サウンドが効いて最後まで見ていられました。

名護工場製造オリオンビール   2017. 10. 27 (Fri.)

オリオンビール昔はなかなか売ってる店が見つからなくて希少価値高かったオリオンビールですが、大手との提携とかでフツーのスーパーでも買えるようになりました。
これはたいへん結構なことなのですが、販路が広がるにつれ本当に沖縄で作ってるのか?疑惑が高まらざるをえません。
そんな折、スーパーで「名護工場製造」を謳う缶を発見。迷わず多めに購入しました。
さっそく飲んでみたところ、さすがやっぱりオリオンはこの薄味!という気もしましたが、気のせいかもしれません。
裏のパッケージデザインを見たところ、サンゴを守るスーパーサミットとの提携企画のようです。辺野古のサンゴも守りましょう。
名護工場製造サミットはサンゴの保全活動に協力しています。





アトミック・ブロンド  2017. 10. 23 (Mon.)

ちょっと暇があったんで割引駆使して税込1,000円でスパイ映画を鑑賞してきました。予告でBlue Monday '88 (New Order) がかかってたんで、Baby Driver ほどではなくてもそういう映画かとやや勘違いで。とは言え、80年代英国ポップミュージックやネーナの99 Luftballons とかを熱心に聴いていた我々にはイントロだけでテンション上がる楽曲が何曲か出てきます。マリーアントワネットの伝記映画もそういう趣向でしたが、こっちの方が映画の出来は段違い。
BGMに加え、極力スタイリッシュな映像、背景に現れるベルリンの壁崩壊前夜の熱狂、そして何より主演女優シャーリーズ・セロンの魅力であっという間の2時間弱。
字幕を読むより主演女優に見とれてたく思うがゆえ英語リスニング力の必要性を痛感しました。
冒頭、Blue Monday '88 の軽快なイントロに乗って逃げるスパイの惨殺から物語は始まります。スパイ映画にありがちな情報戦や謀略は控え目で血飛沫飛び散る肉弾戦中心。そしてカッチョいい西独車のカーチェイスや渋い東独車のカーチェイスもあります。
情報戦や謀略は控えめでそんなに難しい話ではないのですが、こういうのにありがちな指令の裏事情に加え二重スパイ、三重スパイが多数出てきてだれも信用できませんからいささかややこしいです。が、結局のところCIAのコックサッカーぶりが物語の冒頭と結末に登場。主演女優(MI6)のつぶやくコックサッカーをめぐって「今なんと言った?」とCIA、「何も」「言っただろ!」「何て?」「…」「(録音テープを)巻きもどして聞く?」みたいなやりとりがあって、CIAが「…」と口ごもるところがおもしろさを際立たせているのですが、コックサッカーの翻訳が「糞野郎」みたいなあたりさわりのないものだったのが残念です。これではCIAの口ごもりが伝わってこないので、「珍宝ナメゾー」とか「ポコチン吸い太郎」みたいな直訳に近いのが望まれたと思います。

くるくる横丁(くるり)  2017. 9. 30 (Sat.)

くるくる横丁去年2月の20周年記念ツアー「チミの名は。」最終日ZEPPダイバシティ東京でのコンサートの模様を収録したDVD、税込5,940円。なんで一度ナマで見たライブの録画を6千円も払って見なければならないのか?という葛藤は禁じえませんでしたが、たいへんよいライブだったんでつい購入してしまいました。
全編見てから気づいたのですが、ナマで見たのは東京で2日やった初日で、収録されているのは2日目でした。よって、少し違います。
それはさておき、6千円の値打ちのほとんどと言って過言でないのが副音声。ドラムのクリフアーモンド以外の出演メンバー6人が同じ映像を見ながら、さらに飲みながら約2時間語るのですが、おもしろい音を出したりおもしろいことをするたびにすかさずツッコミが入ります。よって、音楽ビデオなのにほぼ爆笑の連続という仕上がりに。
アンコール2曲目の終盤、アコギとベースのコアメンバーだけで演じる「春風」をバックに、ベースの佐藤がベース論というかミュージシャン論というかちょっといい話をします。が、その数分後。佐藤が便所に行ってる隙に岸田が「佐藤が何言うてるか全然わからん、途中から何の話か全然わからんようなったな」としんみりしかけた場を一気に和ませてくださるところも聴きどころの一つ。お買い得です。



ロッキング・オンの時代
(橘川幸夫/晶文社)  2017. 9. 21 (Thu.)

ロッキング・オンの時代どの世代にも人の話を聞いてるのか聞いてないのかがあやしい、やたら元気なおっさんがいるものですが、とくに団塊のベビーブーマー世代に多い気がします。そんなおっさんの一人でロッキング・オン創設メンバー、橘川幸夫氏がロッキング・オン創刊時とその前後あわせて約10年を総括する一冊。1600円+税。
渋谷陽一の「ライナー・ノーツ」で30年か35年ぐらい前に読んだ話と重なるところもありますが、そのとらえ方も大いに異なりますし、全体像も全く違います。
渋谷が論説の人で打倒既存メディアでリーダーで社長であったのに対し、橘川は実務の人で魂の詩が好きで人つなぎや場作りの人でさらにゴールデン街の人。そんなわけで渋谷の話より読んでておもろいです。

陽一さんのもしもし編集室  2017. 9. 22 (Fri.)

橘川氏思い出話ですが、昔勤めてたところで「顧問アドバイザー契約のところのおじさんが来る」というので末席を汚させていただいたら、やってきたのが橘川幸夫その人でした。
とりあえず「ポンプ読んでました、投稿したけどボツくらいました」でおっさんのハートをキャッチしに行ったのですが、おそらくはいろんなところで同様の話を聞いておられるのでしょう、聞いてるのか聞いてないのかよくわからないリアクションを返してくださいました。
それはともかく、おそらくはいろんなところで話しておられるのでしょう、よく練れた噺を聞かせてくださいました。
曰く、「何事か始めるときは4人でやるのがよい、さらに役割分担が大事。ビートルズならジョンが頭、ポールが顔、ジョージがボディでリンゴがハート」。そこまではある程度わかりやすいたとえ話なのですが、続いて曰く、「ロッキング・オンは岩谷が頭で渋谷が顔、自分がボディで松村がハート」。一時期、毎月ロッキング・オン連載漫画「陽一さんのもしもし編集室」を読んでた我々にはビートルズよりもわかりやすいたとえ話なのですが、そうでない方々にはどうだったのでしょうか?

A KIND REVOLUTION (Paul Weller)  2017. 8. 31 (Thu.)

a kind revolution1992年、裸一貫のソロから再スタートした後、つねに2年か3年おきに新作をリリースされてこられたウェラー師の最新作。全10曲におまけが3曲ついて2,457円+税。
20世紀末から今世紀初頭はアコースティックな世界にどっぷりつかられ老境の域かと思いきや、2005年のAs Is Now から活気を取り戻され、2008年以降は機械の力(DTMソフト)も借りて22 Dreams, Wake Up the Nation, Sonik Kicks とプチサイケでヴォリューミィな三部作を経て後、ベスト盤を出されてセミリタイヤかと思いきや、一昨年のSatterns Pattern 。機械の力を借りつつもぐっとまとまったサウンドとヴォリュームでいよいよセミリタイヤかと思いきや、さにあらず。またもや新作が届けられました。
実際には機械の力を借りてらっしゃるのかもしれませんが、あまりそう感じさせない音作り。冒頭1曲目はロックンロールなベースにオルガンサウンドが乗ってライブでたいへん盛り上がりそうな楽曲でスタート。
2曲目は前述のプチサイケな三部作時代を彷彿させるのですが、3曲目以降はエレピ多め。ライブではエレピのコーナーは盛り下がりがちなのですが、三部作時代に多かった3分前後の短い楽曲は少な目で1曲1曲聴かせるつくりに作りこんでおられます。それだけに手数の多いホワイト兄のドラムやタルボットの粋なキーボードが入ってたらもっとよかったのにとどうしてもスタイルカウンシル期が恋しくなる微妙な快作です。とくにスタイルカウンシル末期のハウスサウンドに近い8曲目「One Tear」には歌詞に政治性も垣間見られ、かつボーイ・ジョージのヴォーカル入り。

BABY DRIVER  2017. 8. 28 (Mon.)

たまにテレビでやってるハリウッド大作とかをちらとでも見てしまうと、一流管弦楽団による説明過多なBGMベタ張りに見ている方は馬鹿にされてるような気になります。実際馬鹿にされてるというかそういうレベルに合わせないとハリウッド大作としてペイできないわけで致し方ないともいえるのですが、あえてそういう作風の逆を行く快作登場。
オタク監督が先日のフジロックに来ていてとくにコーネリアスのステージについて多くツイッターにあげてたということで信頼に足ると判断して各種割引を駆使して1,100円で鑑賞してきました。
発進はつねにフルスロットルな天才ドライバーの逃がし屋が主人公なのですが、冒頭The Jon Spencer Blues Explosionの「ベルボトムズ」にあわせたカーチェイスは映画史に残る名場面でこれ以上ないツカミでスタート。



馬鹿ロックたる元歌の馬鹿さ加減を知ってるともっと楽しめると思います。



事故の後遺症で音楽をを聴いていないと耳鳴りがするという主人公設定を理由に、監督好みの過去の名曲を下敷きにしてそのリズムにあわせて物語が進行していきます。
前半は話す登場人物の周囲をカメラが回る今風のカメラワークなんかが動体視力も衰えた老眼にはきついですが、中盤「テキーラ」のラテンサウンドに乗せた銃撃戦あたりから画面も物語もぐっと引き締まります。
疑心暗鬼と仲間割れ、二丁拳銃、脇役陣の非業の死などタランティーノゆずりの映画的名場面が随所に盛り込まれ、ブライトンロック(クィーン)の変態ギターソロに乗せたカーチェイスと決闘を経てハッピーエンドの大団円。おすすめです。

グループ魂/泉田裕彦/RADWIMPSほか
(Fuji Rock Festival '17初日)
2017. 8. 2 (Wed.)

雨に打たれる修行から無事に帰ってこられたのですが、初めから雨だったわけではありません。
到着するや恒例の乾杯ビールに続いてピザモヒートでスタート。
ピザとモヒート

グリーンステージに戻って、下ネタとベタボケに徹するグループ魂で開幕です。下ネタとベタボケへの徹し方がいささか激しく、もう2杯も飲んでるせいで終盤うたた寝。おかげで港カヲル46歳のケツを見逃してしまいました。いや、見逃せてよかったです。
グリーンステージ

味噌キーマカレー お昼も過ぎて小腹がすいだんで奥手のオレンジコートまで歩いて去年も食べた味噌キーマカレー。どうしてもまた食べたいというほどでもなかったと記憶するのですが、やっぱりほどほどにうまかったです。
おなかがふくれたところでジプシーアヴァロンのアトミックカフェトークへ。

津田、冨澤、泉田 いつもの津田に、グループ魂の冨澤タクと泉田前知事登場です。泉田の不断の努力がなければ福島の耐震棟もできておらず、メルトダウンの災禍がどれほどの規模になっただろうかというトークが始まるやぽつりぽつりと降り出した雨が中盤から豪雨に。推進派による嫌がらせとしか思えません。
トークの後の冨澤のバンド、Number the.も拝聴するつもりだったのですが、雨具に身を包んで木陰に避難。

豪雨のトークたこ焼き

豪雨は30分ほどでおさまり、これまでありそうでなかったたこ焼きキューバリブレとともにいただきました。ソースなしで食べられるたこ焼きでほどほどに美味かったのですが、ソースがあればもっと美味かっただろうという気がしないでもありません。
靴下などを替えにグリーンステージに戻ったら、Route 17 Rock'n'Roll Orchestraが始まっていてトータス熱唱中。チャボに代わってデイドリームビリーバー(忌野詞)でしのんだ後、加山雄三登場。ギターでベンチャーズなどインスト曲を演奏なさって、一瞬「歳とって歌なしか?」と心配させられましたが、「お嫁においで」に「君といつまでも」。
グリーンステージ

RADWIMPS この日はヒカシューもあったのですが、最近ヒカシューはよく見てるし、風通しの悪いカフェ・ド・パリだったので、グリーンステージのRADWIMPSを拝聴することにしました。おもしろい歌もあるしドラムは東京事変の人だしと評価ポイントもあるものの、人間離れしたヴォーカルの完成度が高過ぎるところがわたくし的にはちょっと好みではないのですが、ベースの人には楽しませてもらえました。
高いところでベースをかかえてまわりながら指で弾く、そう、ドリカムのベースの人の奏法を他にやる人を初めて見させてもらえたのでした。あと、注目はアクエリアスのコマーシャルソングをポカリスエットが長くスポンサーをやってるフジロックでやるのかやらないのか問題。結局、アクエリアスのコマーシャルソングはやらぬままの終演で少しがっかりさせられました。

RADWIMPSが終わるやレッドマーキーのスチャダラパーに急行したのですが、これまでに見たことのない大混雑。レッドマーキーからこんなに人があふれるところを初めて見たのですが、たぶん「ブギーバック」で小沢健二が出てくるかも、と考えた客が多く集まったものと推察します。
SDP
「客入り心配したけどRADWIMPS見てからの人も来てくれて一杯になってよかった、そりゃ前前前世聴きたいもんね」の旨をボーズがチクリとおっしゃてたのですが、そうです、前前前世聴いてから来ました、すみません、というわけで、途中で脱落。THE XXを3曲ほど拝聴したところで豪雨のときに濡れた足先、手先がゴリラズまでもたないと判断。ゲート外、湯沢東映ホテルのステーキ丼を頂戴して退散。
光



never young beach/CORNELIUS/くるりほか
(Fuji Rock Festival '17 day 2)
2017. 8. 3 (Thu.)

never young beach 2日目は食いもんの写真を撮ってる余裕もない雨が断続。H ZETTRIOやらKyoto Jazz Sextetやら平賀さち枝とホームカミングスやらをあきらめ、昼からゆっくり出陣しまして、まず昼飯。行列ができてない店で炙り鱧入りにゅうめん、なんと千円。和風だしにゅうめんはたいそう美味かったのですが、誰もこんなとこで千円出して鱧を食いたいとは思いませんから行列はできません。
Coccoさんの鬼気迫る歌声を3曲ほど拝聴して怖気づいてレッドマーキーのnever young beach を最前列(付近)で。
昨日聴いたばかりの「お嫁いおいで」オマージュ臭漂う「明るい未来」で開演。その後も昭和フレーズをそこかしこにちりばめた21世の「結婚しようよ」的な楽曲を次から次へと楽し気に繰り出され、まさにhappyなひとときを過ごさせてもらえました。
CORNELIUS
グリーンステージに帰ってきたらTHE AVALANCHES の皆さんが終盤の盛り上がり状態。昨日のTHE XX と同じような機械を駆使したリズムの繰り出し方なのですが、THE XX の魅力がどこにあるのかちょっとよくわからなかったのに対し、THE AVALANCHES には大いに共感することができました。

THE AVALANCHES が終演するや、コーネリアスに備えて最前列(付近)へ。プロジェクターの色調整を経てステージを幕が隠します。これにオープニング映像メッセージを映してから幕が落ちるや開演という趣向は2002年にホワイトステージで拝見したのと同じですが、もう小成金を引き寄せる中目黒からは引っ越されているので、to the world from Nakameguro のメッセージは出ませんでした。
それはともかく、DTM打ち込みだからできたであろう21世紀以降の複雑な楽曲もほぼすべて4人編成の生演奏で奏でられていき、さらに映像と照明がシンクロするオルタナティブアートなステージ。くるりのサポートでちょくちょく拝見しているあらきゆうこさんのドラムに堀江博久はキーボードだけでなくギターも披露されていました。
演目など、アンコールの有無以外は同じだったらしい7月半ばの新作リリースパーティの模様が「小さなドーナツを描いていた」に詳述されています。


まばたきもできない息詰まる14曲を堪能して、息つく間もなく煙草一服だけしてくるりのフィールドオブヘヴンへ。
大渋滞の道中、ホワイトステージから漏れ聞こえる小沢健二の冒頭4曲を拝聴することができました。
すでにnever young beachとコーネリアスを最前列(付近)で拝聴して足腰がやばい感じになってきていたんで、くるりは立って聴く人と座って聴く人の境い目にポジショニング。ロコモコのハンバーグがあまりおいしくない店のタコライスをおいしくいただいたところでくるり登場。
ふつうのコンサート並みの2時間の長丁場、音楽の泥沼に入りがちな「Long Tall Sally」や「惑星づくり」などでは座って一服したりしつつ、メリハリつけて盛り上がらせてもらいました。「ロックンロール」から「How to Go」のクリストファー在籍時の「アンテナ」からの楽曲で23時終演。



帰途、LCD SOUNDSYSTEM の最終曲とアンコール1曲目を聴きつつ退散しました。



slowdive/YUKIほか
(Fuji Rock Festival '17 day 3)  
2017. 8. 5 (Sat.)

牛串 3日目も終日小雨が降ったりやんだりで遅めの出陣。2日目よりはましで食いもんの写真を撮る余裕も少しありました。
まず場外湯沢東映ホテルのステーキ丼の隣、地元のおっちゃんおばちゃんでやってる店の牛串地ビールで乾杯。
入場後、上半身裸で熱唱しておられたLukas Graham の後半を拝聴してからいつものフィッシュ&チップスキューバリブレでいただき、レッドマーキー最前列(付近)へ。
レッドマーキーCDではドラムの手数の少なさに物足りなさを感じなくもないslowdiveですが、ライブは別物。メリハリつけて盛り上げるところは盛り上げてくださりました。なにしろシューゲイザー(靴を凝視する奴)なので、ギター&キーボードのお姉さん(元美人)が時折愛想を振りまく以外はこれといったステージアクションや客あおりがないので、ドラムの熱演に大いに救われました。
概ね交互に新作と旧作(20年以上前)を織り交ぜての演奏を轟音で奏でられ、最後はシドバレットのカバー曲。

グリーンステージを臨む
グリーンステージに戻るやすでに始まっていたYUKIさんのステージを最後まで拝聴して晩飯。

キーマカレーライス
ナンで食べる方が多いムンバイのキーマカレーですが、わたくしはサフランライスです。
食べてる間に3日間で初めての晴れ間を雲の間に垣間見て、さらに初めて日高社長を生で拝見し、ビョークが出てくる前に撤収。
日高社長



Mellow Waves (Cornelius)  2017. 7. 27 (Thu.)

コーネリアス11年ぶりの新作は10曲入りで2,800円+税。
前々作「ポイント」以来音像のインスタレーションに情熱を注いでらっしゃったこだわりはそのままに音像を大胆に揺るがしてのメロウ感。アコギ率高めですがギターもちょいちょい弾いて、ほぼ全曲歌入り。そしてうねるシンセベース。

おそらくは映画やテレビの仕事、そこでの坂本慎太郎とのつきあい、そしてMETAFIVEでの活動を経てぐっと理解しやすい世界に帰ってきてくださったようです。
中盤の5曲目6曲目はコーネリアスと言うよりメタファイブな今風テクノ感。

終盤はまた歌声までインスタレーションしてしまう楽曲が2曲ほどあってまた評価しづらく感じたりしますが、その間に女声ボーカルのサロンミュージックが挟まってて「ファンタズマ」以前のトラットリア期を懐かしむこともできます。

ALL ABOUT CORNELIUS
別冊ele-king コーネリアスのすべて   
2017. 7. 26 (Wed.)

コーネリアスのすべて160ページに及ぶコーネリアス総力特集。1,700円+税。
わたくし的にはフリッパーズギターの3枚目にして最終作「ヘッド博士の世界塔」がつねに心のベスト10にランクインしてるうえ、コーネリアス第1作「First Question Award」がつねに心のベスト10圏外ながら次点ぐらいに位置しているものの、続く90年代渋谷からのヘビメタ再解釈「69/96」と世界で売れたごった煮怪作「ファンタズマ」の評価が定まらないまま、「Point」から「Sensuous」の抽象芸術の世界に入って行かれてその方向性を理解しづらく思っているコーネリアスなのですが、その歌声は大好きです。
で、新作発表を機に対談やらコラムやらレコード評やら関係者インタビューやらで幼少期の家庭環境までさかのぼりつつ、当代一の音楽マニアが志向する音楽の輪郭を象っていかれ、新作理解の一助となること間違いなし、な全160ページ。知らない固有名詞頻出なので注釈がほしくなるところですが、今はネットで調べられるから安心です。

oasis FUJI ROCK FESTIVAL '09  2017. 7. 21 (Fri.)

oasisオアシスのフィルムコンサート。3月に期間限定で公開されていたのですが、ここらへんでは新宿のみで1週間、その他昭島とか板橋とかで1日だけという限定され過ぎなうえ、立川シネマシティでやらないんで見送ったのですが、今般おかげさまで立川シネマシティにて極上音響上映。税込2,500円。
特段の制作費を要してないにもかかわらず2,500円は高い感じがしますが、きっとオアシスに結構分捕られているのだと推察します。
一方、フジロック主催のスマッシュにはあまり行ってないだろうと推測されるのですが、それは上映終了後やおまけで配られたハガキ大の極小クリアファイルに広告が入っていたからです。
クリアファイル それはさておき、2009年のフジロックフェスティバル。もうこのころは出演者を問わず入場券や宿の手配をしてましたが、土曜日曜の2日券。金曜と月曜は働いていました。が、この年オアシスに加えその来日公演はほぼ欠かさず拝聴しているポールウェラー師が金曜日で見られなかったこともあり、翌2010年からは腹をくくって3日券。金曜も月曜も仕事を休んでフジロック中心の1年を毎年送ることになってしまいました。
で、2009年の金曜日はたいへんな雨だったのですが、終演間近に小やみになったところを「俺が止めた」とギャラガー兄が言ったオアシス公演の模様がほぼノーカットで2時間の映画になってます。
4枚目「Standing on the Shoulder of Giants」のインストオープニング曲のレッドツェッペリンなギターリフに乗っての登場。このスタイルは4枚目が出た2000年のワールドツアーから始まったと思うのですが、その初日の横浜アリーナで拝聴して以来聴くのは17年ぶりになります。ステージアクションとかがまったくない無骨なプレイスタイルのオアシスですが、降りしきる雨粒が光る映像美が時折垣間見れて飽きさせません。終演はこれも定番の「I am the Walrus」のカバー。
もし行ってたらその前のウェラー師で精根尽き果てて後ろの方でのんびり見てたと思うのですが、ちょうどそんな感じで全20曲を楽しませてもらいました。



XXL(岡崎体育)  2017. 7. 14 (Fri.)

XXL鬼才岡崎体育メジャー2作目は全11曲とおまけDVD付で3,241円+税の強気価格設定。
たいへん残念なことに潮風やJINROなどのタイアップ曲が入っていません。
オープニングはゴリゴリのイントロから入るテクノサウンド。2曲目に先行シングルが大ヒットの「感情のピクセル」。今はラウドロックと呼ぶらしいハードコアパンクがメロディアスになったようなやつです。


思い切りロックに振れたかと思うと3曲目は今風テクノファンクで逆空耳な英語風詞。
ここまでのかっちょいい楽曲から休憩のコーナーのような4曲目の長いネタ部分をのんびり楽しんでいると「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルやないけ」の歌詞がボーカルのピッチ補正だけでメロディに紡がれていく奇跡の爆笑ソングに。
逆に5曲目は元気よくスタートしたもののキュウソネコカミのデモトラックみたいなまま終わってしまい、昨日ご報告したQJの本人解説によると「なんの思い入れもないただのクソ曲です。入れなくてもよかったです。聴く価値ないです」とのことです。
ファーストアルバム「Basin Techno」では6曲目のインストのあと、毛色の異なる名曲が2曲収録されていましたが、本作では6曲目のインストのあとに5曲も入っています。(つづく)

XXL(岡崎体育)  2017. 7. 20 (Thu.)

XXL休憩のインスト曲を挟んだ後半ですが、ヴァラエティ豊かな5曲。大昔の電気グルーヴみたいな自己紹介ラップ、80年代風打ち込むポップミュージックに続いて、「スナック」の新録。他ではかせきさいだぁでしか聴いたことがないようなはっぴぃえんど直系サウンドを伴奏にしたラップをバンドサウンドで。しみじみ味わい深い名曲に仕上がりました。


4曲目も昔から無料動画サイトで見られた「鴨川等間隔」の新録りでこれもバンドサウンド。歌声のピッチ補正もしてなさそげで生々しいです。



余談ながら歌詞には鴨川等間隔に加え木津川BBQも出てきますがミュージックビデオのロケ地は体育の家に近い宇治川です。
そしてピアノが哀しい「式」で終わるのですが、問題は付録DVD。前回の前半で埋め込んだ「感情のピクセル」はよくできてましたが、噂によると3曲目「Natural Lips」のギター奏者に大枚はたいて予算オーバー。ミュージックビデオにまわすお金がなくなったようで、それが証拠にDVDにも入ってるミュージックビデオ(美人も不細工)は明らかに低予算です。


そんなわけで1作目とは異なりミュージックビデオに頼らない楽曲で勝負となった2作目ですが、企画勝負の前半および休憩以降の後半のプチ名曲集で鬼才の才能が発揮されたと言えましょう。さらに言うと、DVDに入ってる「岡崎体育といっしょ!バーチャル食事デート体験」がその1、その2と2本もあるのですが、両方あろうことか起き掛けの朝飯という信じられない設定だったりしてちょっとおもしろいですが、買うならDVD無しの方をお勧めします。

QJ vol132 岡崎体育70ページ特集  2017. 7. 13 (Thu.)

QJvol132クイックジャパン第132号は岡崎体育特集、980円+税で絶賛発売中。
クイックジャパンをちょいちょい買って読んでたのはエヴァンゲリオンブームのころにさかのぼりますから、かれこれ20年近く前でしょうか。今はもう老眼鏡なしでは読めません。
それはさておき本冊の半分弱を占める70ページの岡崎体育特集。宇治の位置づけと土着ヤンキー文化から岡崎スタイルを読み解く岸田繁との対談「地元」を筆頭に鬼龍院翔がベタを推奨する対談「ネタ」、そして関ジャニ丸山との「ファン」の三大対談からはじまり、おかんを交えての三者面談「岡崎と母」で締めくくられます。
対談の前は、最近我が家の白い犬が息を引き取ったのですが、NHK Eテレの「超入門落語ザムービー」の「元犬」の回で「白い犬は来世は人」みたいなことを言ってたのを確かめようと「白い犬」で検索したら出てきた写真家梅佳代によるグラビア「京都デート」。
対談のあとには岡崎評やまんがや詩、どうぶつさんたち大集合の仲間に入れてもらえてるような入れてもらえてないようなワニさんとの写真などで読み応えじゅうぶん。
さらに岡崎と言えばのミュージックビデオ、その全作品解説やら岡崎自身による楽曲解説のコーナーだけでも立ち読む価値があると思うのですが、ここだけさらに細かい文字で本を90度寝かさないと読めない横組みレイアウトですから立ち読みも大変。というわけで税込千円強の値打ちはあると考える次第です。

WEATHER DIARIES (RIDE)  2017. 6. 28 (Wed.)

WEATHER DIARIESシューゲイザー御三家の一角ライド21年ぶりの5枚目。全11曲にどうかしてる日本盤ボーナストラック1曲のおまけ付で2,490円+税。
いろいろあってイギリスの音楽をとんと聴きそびれていた90年代前半、残響系エフェクターの発展とともに勃興してすぐにブリットポップにとってかわられたシューゲイザー(靴を凝視する奴)サウンドがまた現代によみがえりました。
とは言えライドに期待するのは手数の多いドラムに乗るノイジーなギターポップ。先行シングルになった2曲目「Charm Assault」はそこにカッチョいい変拍子も交わり、またアルバムジャケット同様シチュアシオンなミュージックビデオも大絶賛の嵐。



この2曲目をピークに3曲目ぐらいまではいいのですが、休憩の楽曲をはさんで寝起きに気軽に作ったみたいな楽曲が2曲ほど。その後の後半があんまりいただけません。どこに向かおうとしておられるのか方向性が定まらないうえ、どれもミディアムテンポでかっちょいいところが見当たりません。
そして問題のボーナストラック、24分の抽象音楽。後半宗教家詠唱みたいなのが調もあわさず入ってきて、昼寝BGMにすると悪夢を見そうです。iPodに同期するときにはここだけはずしました。

slowdive(slowdive)  2017. 6. 28 (Wed.)

slowdiveシューゲイザー御三家の一角スロウダイヴ22年ぶりの4枚目。全9曲2,490円+税。
1990年代はじめはイカ天ブームがあったりムーンライダーズ活動再開があったりP-MODEL解凍があったりして国内で忙しくしてたんで、スタイルカウンシルが失速するイギリスの音楽をとんと聴きそびれていました。ちょうどそのタイミングで残響系エフェクターの発展とともに勃興してすぐにブリットポップにとってかわられたシューゲイザー(靴を凝視する奴)サウンドが現代によみがえりました。
聴くほどに染み入る残響音とはかなげな男女混声ボーカルの心地よさは、野外で聴いてみたいと強く思うのですが、あろうことかフジロックはレッドマーキーに登場とのことです。
終盤、ミニマルなピアノで8分やる歌があったりして、心地よさより眠気が勝ちがちなところが玉に瑕。


キュウソネコカミ -THE LIVE-
DMCC REAL ONEMAN TOUR 2016/2017
ボロボロ バキバキ クルットゥー
  2017. 6. 14 (Wed.)

KYUSONEKOKAMI THE LIVEキュウソネコカミ活動歴およそ5年の集大成。3枚組DVD1枚付のライブ盤が3,500円+税のお値ごろ価格。
CD1枚目は大阪なんばでのライブから抜粋の16曲。2枚目3枚目は2016年11月から翌年2月までのコンサートツアーから各会場1曲ずつピックアップ。かぶりもありますが、全53曲収録の大盤振る舞い。インディーズ時代を含めて6枚ぐらいしかLPを出してらっしゃいませんで、そのうちの半分は7曲程度のミニアルバムゆえ、結局のところ発表曲の三分の二程度が収録されていてこれはもうお買い得です。
付録のDVDは過酷なコンサートツアーの様子をおもしろおかしく伝えています。以下に収録曲を転記して肉体的にも精神的にも追い込まれていかれるコンサートツアーのご苦労をしのびたいと思います。

CD1 song LP  
1 サギグラファー single”サギグラファー"(2016)  
2 良いDJ indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013)  
3 ファントムヴァイブレーション indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013)  
4 記憶にございません major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015)  
5 KMDT25 major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014)  
6 What's your name? major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014)  
7 KMTR645 レキシ”Vキシ"(2016)  
8 秋エモい single”わかってんだよ"(2016)  
9 MEGA SHAKE IT! major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015)  
10 OS major 2nd"ハッピーポンコツランド"(2015)  
11 DQNなりたい、40代で死にたい indies 1st”10代で出したかった"(2012)  
12 ハッピーポンコツ major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015)  
13 何も無い休日 major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014)  
14 わかってんだよ single”わかってんだよ"(2016)  
15 お願いシェンロン indies 1st”10代で出したかった"(2012)  
16 ビビった major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014)  

CD2 song LP  
1 ネコ踊る indies EP”キュウソネコカミ(赤盤)"(2012) 2016/11/15千葉
2 ファッションミュージック indies 2nd”大事なお知らせ"(2012) 11/17さいたま
3 ヤブ医者 major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 11/19甲府
4 泣くな親父 major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 11/21松坂
5 辛あわせ single”サギグラファー"(2016) 11/25富山
6 サブカル女子 indies 2nd”大事なお知らせ"(2012) 11/27新潟
7 カワイイだけ major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014) 11/29札幌
8 音楽やめたい indies 2nd”大事なお知らせ"(2012) 12/1帯広
9 NEKOSAMA major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 12/2北見
10 要するに飽きた major 2nd"ハッピーポンコツランド"(2015) 12/4旭川
11 性ビジネスは不滅 indies 1st”10代で出したかった"(2012) 12/9佐賀
12 No Thinking indies 1st”10代で出したかった"(2012) 12/11広島
13 キャベツ indies 1st”10代で出したかった"(2012) 12/13熊本
14 サギグラファー single”サギグラファー"(2016) 12/17長野
15 OS major 2nd"ハッピーポンコツランド"(2015) 12/19清水
16 JP indies 2nd”大事なお知らせ"(2012) 12/21和歌山
17 こみゅカ single”わかってんだよ"(2016) 2017/1/7新木場
18 FABYOOOOOO!!!!! indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013) 1/9仙台

CD3 song LP  
1 MEGA SHAKE IT ! major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 1/13福岡
2 テレキャスばっか indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013) 1/15鹿児島
3 GALAXY major 2nd"ハッピーポンコツランド"(2015) 1/17宮崎
4 適度に武士道、サムライBOYS。 major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 1/19高知
5 KMDT25 major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014) 1/21高松
6 良いDJ indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013) 1/23周南
7 勇者ロトシック major 2nd"ハッピーポンコツランド"(2015) 1/27名古屋
8 たまにいるタラシくん indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013) 1/29金沢
9 貧困ビジネス major 2nd"ハッピーポンコツランド"(2015) 2/4秋田
10 記憶にございません major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 2/6盛岡
11 ハッピーポンコツ major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 2/8郡山
12 オリジナリティ indies 2nd”大事なお知らせ"(2012) 2/10水戸
13 役立たず indies 1st”10代で出したかった"(2012) 2/12高崎
14 ウィーワーインディーズバンド!! indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013) 2/16米子
15 ビビった major 1st"チェンジ ザ ワールド"(2014) 2/18新居浜
16 困った indies EP”キュウソネコカミ(青盤)"(2012) 2/20岡山
17 ファントムヴァイブレーション indies 3rd”ウィアーインディーズバンド!!"(2013) 2/24京都
18 春になっても major 3rd"人生はまだまだ続く"(2015) 2/26岐阜
19 キュウソネコカミ indies 1st”10代で出したかった"(2012) 2/28神戸

T2 Trainspotting  2017. 5. 13 (Sat.)

1996年にヒットしたカルトムービーの20年後の続編。糞ったれなイングランドに支配されてる糞以下なスコットランド底辺の青春群像劇が、ときにスタイリッシュにときに汚らしくときに幻惑的に、いい音楽をバックに描かれてた前作が20年後にどうなったか?
結論を申し上げるとサントラ盤が1の方がちょっといいと感じるのと同じぐらいの出来と受け止めました。「あとは野となれ」とスタイリッシュに終わった前作と異なり、「20年経っても結局変わらんな」というエンディングがそう感じさせたのかもしれませんが、 主要4人のうち、イケメン坊主と銀髪ダメ男と喧嘩ヒゲは前のままなれど、気弱モヒカンだけは最悪の状況から立ち直れて少し救われます。

SONAR ARTIST 2か月半  2017. 5. 11 (Thu.)

画面DTMソフトを導入して早2か月半。先々週リズムパターンを1小節打ち込めたところまでご報告した直後、さらに同じパターンを7小節分奇跡的にコピーするところまでできました。
さらに奇跡が起こって8小節目のフィルイン(おかず)までできたのでした。
こりゃ連休中に1曲仕上がるかも、とも思いましたが、野球(9点差逆転含む6連勝)と競輪(やや散財)で忙しくしてるうちに一歩も進まず終わりました。まだその程度です。

SONAR ARTIST 2か月  2017. 4. 21 (Fri.)

画面DTMソフトを導入して早2か月。いろんなところを適当に触っているうちに奇跡が起こり、1小節分のリズムパターンの打ち込みができました。
これを2小節目にコピーするところまで行ったのですが、たいへん不思議なことに1小節目と2小節目で音の強さが異なります。まだそこまでです。

TROPICAL LOVE(電気グルーヴ)  2017. 4. 15 (Sat.)

「人間と動物」からおよそ4年ぶりぐらいになる電気グルーヴの新作がなんと4,500円+税。「音だけの安いのはありませんか」と尋ねたくもなったのですが、ビデオに運転手までついてた昔の作品みたいなおまけに期待して買ってしまいました。
10年ぐらい前にハンサム化してからあまり新作には期待してなくて、その後もそれなりに聴いてはいましたが本作も原則その延長線上。オープニング曲でピエールの胡散臭いバラエティ司会音声が入ってる「人間大統領」で少しだまされますが、決して脱ハンサム化はしていない趣。
とはいえ安物のDTMソフトをベースに作ったせいかの熱帯性あふれる脱力感がこれまでになく昼寝BGMとしてたいへん心地よく響いてきました。
終盤、寝入った後に現れる夏木マリの歌声にフラメンコギターがかぶさってちょっと艶めく悪夢感という珍しい感覚も味合わせてもらえます。
が、4,500円でついてきたおまけは、まだ見てない配信ビデオをのぞくと、動物の顔濃厚イラストやら動物の顔が角度で変わるジャケット表紙やら動物の顔の厚紙や動物の顔薄型マグネットとかで、やっぱり安いのを求めた方がよかったという後悔は禁じえません。

ヒカシュースーパー(ヒカシュー)  2017. 3. 30 (Thu.)

CD化されたのは2009年のころのはずなのですがレコード屋で見かけることなく、後に出た「ヒカシュースーパー2」を先に買ってしまっていました。それが先日タワレコ渋谷店で発見して即購入。税込2,625円。
オリジナル盤は1981年の発売。LP3枚目までとシングル曲などから選曲された当時のベスト盤です。
「感じる映画雑誌」のショルダーコピーを冠した雑誌「ウィークエンドスーパー(白夜書房)」を模したタイトルロゴの肩には「感じるレコード」とあります。
デビュー曲20世紀の終わりにを皮切りに、クラリオンガール烏丸せつ子の裸体CFとともに脳裏に焼き付くオアシスの夢、加山雄三の意見で設定を変えたりして原作の名作性をワヤにしてしまったテレビドラマ「加山雄三のブラックジャック」エンディングテーマ曲ガラスのダンス、クラフトワークのカバーモデルなど、80年代初頭の気分を今に伝える名作が本作なのであります。
余談ながらわたくしたち楽団「いまわし部族」が高校謝恩会立食パーティで披露したクラリオンCFソング白いハイウェイも収録。300人以上いる列席者のうちの8人ぐらいしかこっちを見ていないという生き地獄の3分間でした。
それはともかく、収録曲のほとんどはほかの再発CDで聴くことができますが、本作にしか入ってないのがプヨプヨパイクのライブ演奏。とくにコンサートでは終盤の定番となっているパイクのベンチャーズアレンジヴァージョンを手元に置いときたくて購入したと言っても過言ではないでしょう。ベンチャーズとのジョイントコンサートには加藤和彦と近田春夫も参加。アングラ指向を引きずりつつメジャー展開を図っていた時代のことで、サザンオールスターズが売れてるアミューズに所属していたがゆえに為せる業だったのかもしれませんが、この後上杉清文、南伸坊らと総合商社ハンジョーを結成、アミューズ円満退社後はアングラ指向に拍車がかかります。
その直前の時代性がこの1枚にぎゅぎゅっと詰まってます。

Roland DUO-CAPTURE EX  2017. 3. 6 (Mon.)

ヘッドホン付先月DTMソフトを購入したときに同時に買ったオーディオインターフェースと呼ばれる謎の機器。USBケーブルでつなぐことでパソコンと楽器その他の電気信号を仲介してくれるそうです。まさにインターフェース。11,000円+税。
ほぼ同価格のTASCAM社製との迷ったのですが、ヘッドホンおまけのキャンペーン期間中につき、Roland社製のにしたという次第です。
で、肝心のDTMソフトの方ですが、インストールから2週間。ようやくたくさん音源が入ってるみたいだということをつきとめるとこまでだどりつきました。

『くるりの20回転』リリース記念ツアー
「チミの名は。」(Zepp Divercity Tokyo)
2017. 3. 2 (Thu.)

チミの名は。去年の秋に出たベスト盤のコンサートツアーを今頃、しかも大都市しかまわられないということで東京で2日やるうちの初日のに行ってきました。税込5,940円とドリンク代500円。
ベスト盤のコンサートツアーとはいえ、ベスト盤的な選曲はたぶんなさらないだろうとは思ってましたが、ベスト盤に入ってるとはいえ地味目な「愉快なピーナッツ」から開演。バンジョーに持ちかえてこれも地味目な「リバー」をやったあとは、ベスト盤にも入ってない初期の楽曲をやられて、曲間のトークも「シングルの曲を全然やってませんな」というノリを基調とされてました。
しかしながら中期の傑作『NIKKI』から「Bus to Finsbery」「Birthday」の流れとか、しみじみした楽曲よりノリノリの楽曲多めでたいへんうれしく思ったのですが、ひょっとするとトランペットのファンファンが休んでるから実現したセットリストだったのかもしれません。
ドラムは最初期のオリジナルメンバーの森信行。これにサポートのギターとキーボードの5人編成だったのですが、『チミの名は。』のツアータイトルにちなんで森からクリフアーモンドにドラムス入れ替わり。ぐっとリズムが引き締まって、最新曲「琥珀色の街 上海蟹の朝」や「Morning Paper」「京都の大学生」といった難し目な曲へ。さらに森がパーカッションで参加するとともに、ギターのサポートも1人増やすや「Long Tall Sally」で音楽の泥沼へ。フルメンバーは右手にキーボード、森、岸田。左手にギター、ギター、クリフアーモンドとなり、ベースの佐藤を扇の要とする陣形が完成したのでした。
「Superstar」から「ロックンロール」のノリノリメドレーなどでノリノリになったりしつつ、初期の名作「街」「虹」で大団円。
アンコール一部の弾き語りコーナーと物販告知で休憩した後、「ばらの花」「ワールズエンド・スーパーノヴァ」の斜めノリを堪能して、最新アルバムから「liberty & gravity」でお開き。
NO songs LP 20
1 愉快なピーナッツ 8th"魂のゆくえ"(2009)
2 リバー 3rd"TEAM ROCK"(2001)
3 夜行列車と烏瓜 1stインディー"もしもし"(1997)  
4 尼崎の魚 c/w1st single"東京"(1998)
5 Bus To Finsbury 6th"NIKKI"(2005)  
6 Birthday 6th"NIKKI"(2005)
7 Morning Paper 5th"アンテナ"(2004)  
8 Tonight Is The Night 6th"NIKKI"(2005)  
9 琥珀色の街 上海蟹の朝 single(2016)
10 ふたつの世界 single(2015)
11 京都の大学生 c/w single"さよならリグレット"(2008)
12 Long Tall Sally 6th"NIKKI"(2005)  
13 Superstar 6th"NIKKI"(2005)
14 ロックンロール 5th"アンテナ"(2004)
15 RING RING RING! 6th"NIKKI"(2005)  
15 o.A.o 10th"坩堝の電圧"(2012)  
15 HOW TO GO 5th"アンテナ"(2004)
15 2nd"図鑑"(2000)
15 1st"さよならストレンジャー"(1999)
  encore(岸田繁弾き語りコーナー)
e1 鹿児島おはら節 "Tower of Music Lover 2"(2011)  
e2 Baby I Love You 6th"NIKKI"(2005)
  物販告知のコーナー
e3 ばらの花 3rd"TEAM ROCK"(2001)
e4 ワールズエンド・スーパーノヴァ 4th"THE WORLD IS MINE"(2002)
e5 liberty&gravity 11th"THE PIER"(2014)
〇 : 『くるりの20回転』収録 ● : B面集『僕の住んでいた街』収録

SONAR ARTIST  2017. 2. 24 (Fri.)

箱リズムマシンのメモリが満タンになったりして新型機を探し始めたのが10年ほど前だったのですが、DJがクラブで操るダンサブルなのが少し出てくる程度。我々が求めるパンキッシュなニューウェーヴでテクノポップなのに合う後継機が全然出てきません。
それもそのはず、パソコンで動くデスクトップミュージックの時代に完全に突入していたのでした。リズムはこっちで作らざるを得ないと意を決してからかれこれ1年あまり。ようやく1本安いソフトウェアを購入しました。渋谷の楽器屋で本体12,850円。
これでメンバーが集まらなくても平沢進や岡崎体育やコムアイやピコ太郎みたいなライブパフォーマンスもできるかもしれないのですが、インストールするのに2時間近く。インストールで精根尽き果て、音を出せるようになるまでにはまだしばらくかかりそうです。

oasis:supersonic  2017. 1. 6 (Fri.)

oasis:supersonicオアシス伝記ドキュメンタリー映画。各種割引を利して1,100円で鑑賞。
96年26万人を動員したというネブワース野外公演(長渕に先駆けヘリコプターで会場入り)の冒頭をイントロに、ギャラガー兄弟の生い立ちなどを挟みつつバンド結成から96年26万人を動員したというネブワース野外公演までのドキュメント。
イギリス製音楽ドキュメンタリーは結構数多く見てますが、群を抜いて最低の出来。1,100円で見られたのでよかったですが、1,800円正規料金だったらかんかんに怒ってモノを投げたりしたかもしれません。
なんとかオアシスの楽曲がたくさん聴けるのとギャラガー兄弟のフーリガン体質丸出し言動のおかげで最後までそこそこ楽しくは拝見しました。
最低の出来になった理由は数々ありますが、まず話者が話してる顔がまったく出てこない。フツーこういうのはちょっと洒落た感じの背景で話者がリラックスしてることろから話を引き出すものです。例外として90年代ブリットポップを取り上げた「Live Forever」だけはあえてみすぼらしいところでギャラガー弟やデーモンアルバーンが語ってましたが、ギャラガー兄だけ王様が座るみたいな椅子に座ってしゃべってました。
それはともかく、話者の顔が見えないうえに、他の似た映像や写真をもってきて出来事の再現映像風にしてる陳腐な演出。依然ギャラガー兄弟の不仲は推し量れるもののツッコミが足りないのはうまく話を引き出せてないからでしょう。
また、96年のピーク時までは振り返るもののそれ以降2009年解散までのグダグダ期には一切触れぬまま終わってしまいます。
いろいろ書いてきましたが、そもそもギャラガー兄弟本人がプロデュースにいっちょかんでる時点でそこそこのものしかできないだろうことが自明だったのかもしれません。それでも無論オアシスの楽曲(ほぼすべて2枚目まで)がたくさん聴けるのとフーリガン体質のおかげで楽しめたものの、楽曲が大きな音でかかるのは3,4曲の1番だけ、みたいなフラストレーション醸造演出。帰宅してCD(2枚目まで)を聴きたくなりますから、これからご覧になる方は携帯端末とかに入れてから鑑賞に臨まれることをお勧めします。

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